研究課題/領域番号 |
24510377
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
ヤマモト ベバリーアン 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10432436)
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研究分担者 |
北野 尚美 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40316097)
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キーワード | セクシュアリティセクシュアル・ヘルス / 思春期保健 / すこやか親子21 / 健康リスク行動 / 若年妊娠 / リプロダクティブヘルス・ライツ / チャイルドプロテクション / セクシュアリティー |
研究概要 |
英国の学校において、学校関係者や思春期保健関係者、および10代の妊娠・出産の支援学校に通っている学生に対する調査を行うために、大阪大学人間科学研究科が設置する研究倫理委員会と英国の地域の学校の双方で研究計画の承認を得た。今年度は、主任研究者の山本が、英国での調査準備と調査のために3回(9月、12月、2月)にわたって渡航した。9月には、学校4か所とヘルスセンター1か所を訪問し、準備調査を行った。12月と2月に、2か所の学校とそのヘルスセンターで調査を実施できた。 英国の思春期保健専門家へのインタビューのなかで、Traffic Light Toolが英国でどのように活用されているか、その有用性を発見した。そこで、原版を開発したQueensland Family Planning Associationに連絡をとり、綿密な意見交換の結果、日本版開発の許可を受けることができた。現在は、暫定的な日本版を準備できた段階である。 また、日本の地域や学校における思春期保健のとりくみや、若年妊娠への対応について、地域で先進的な学校医活動を行っているキーパーソンとの面談が実現し、調査準備のための意見交換を行って内容などの調整を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題の性質上、英国での調査の実施については、思春期保健関係者や学校の責任者と十分な意見交換を行った。その必要性のため、頻回の電子メール等の遠隔でのやりとりに加えて、山本は複数回にわたり渡英して話し合いを重ねた。そのプロセスにおいて、英国の10代妊娠・出産者への支援、思春期保健の施策と実践に関わる貴重なコミュニケーションが可能となり、本研究課題の進展に有用な情報が得られた。インタビュー調査で収集できた情報については、現在解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
1.これまでの英国でのインタビュー調査の解析を進める。加えて、3か所の学校と1か所のヘルスセンターでの調査を実施する。 2.Traffic Light Tool日本版の完成を目的に、日本の思春期保健の現場での使用感について、日本の多職種の複数の思春期保健専門家との意見交換を行う。その意見を反映させて、日本版を改良する。その後に、ブリスベンのQueensland Family Planning Associationを訪問して調整を行い、日本版を完成させる。 3.日本の10代妊娠の実態と対応、思春期の子どもの健康リスク行動について、学校、あるいは病院・診療所、保健センターなど研究協力が得られる地域で調査を行う。実施困難で合った場合は、日本思春期学会、日本産婦人科学会、日本小児保健協会、日本学校保健学会、日本子どもの虐待防止学会など、関連学会に報告された事例を、10代妊娠・出産に焦点をあてて収集し分析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
山本が3回イギリスに調査を行ったが、2回が別の出張費で行ったので、科研の旅費は一回のみ使わなかったことになりました。2回は別の出張ですので、長い時間を調査のために使うことができませんでした。 北野は医学部の仕事から海外調査に行くために話せられない理由も次年度使用額が生じました。 最後に日本の国内調査が遅れていることもあります。 イギリスの調査で山本がイギリスに行きます。 山本と北野が10月にブリスベンのQueensland Family Planning Associationを訪問し、またブリスベンで行うAsian-Oceania Federation of Sexology Conferenceにも発表する予定があります。 他の費用はタイプ、人件費(データ分析のためのRAの採用)、報告書に関する出費です。
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