研究課題
資料調査と英国の思春期保健の専門家へのインタビュー調査によって、オーストラリアと英国で思春期リスク行動の診断と対処のツールとして用いられているTraffic Light Tool (TLT)を発見し、その特徴の分析結果から、思春期の若者の性行動を含めた健康リスク行動全般に関する診断と理解および対処における有用性を確認した。この内容は日本思春期学会で報告した後、Environmental Health and Preventive Medicineに総説Designing a Safeguarding Tool for Japanese Professionals to Identify, Understand and Respond to Adolescent Sexual Behavioursとして公表した。2014年度は、TLT日本版開発のための交渉に臨み、TLT原版の開発者Family Planning Queensland(FPQ)との間で綿密な意見交換を重ねた。2014年10月には、主任研究者の山本がFPQを訪問して、原版を開発した研究者2名と面会が可能となった。その話し合いで、TLT開発の経緯を詳細に知ることが出来て、課題についても話し合った。その後、ライセンス使用に係る契約書について、FPQの担当者と大阪大学知的財産部との間で交渉を進めた。TLT日本版の開発に向けて、2013年度に引き続き、2014年度も思春期学会の学術集会で発表を行った。「若者の性行動に対する専門家が用いる診断と対処の日本版ツールの開発について 「英国のTraffic Light Toolの応用」と題して発表し、暫定日本語訳を紹介して、参加者と意見交換を行った。思春期のセクシュアル・ヘルスや福祉などを専門する参加者から高い関心を得ることが出来て、日本版開発に向けて、研究協力ネットワークを拡大できた。 並行して、英国でTLTを用いたインタビュー調査を行って結果を2015年7月に開催する22nd Congress of the World Association for Sexual Healthで発表する。
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Environmental Health and Preventive Medicine (EPHM)
巻: 20 ページ: 141-145
10.1007/s12199-014-0438-y