本研究は、同性ケアの安全性の概念を、クィア理論を用いて再検討することを目的とした。レズビアンとトランスジェンダーを対象に、クライエントとケア提供者の関係に関する経験についてインタビューを実施した。平成24~25年を文献検討と準備期間とし、インタビューは平成26年~平成28年に米国と日本で5人に対し複数回実施した。その結果、同性ケアの安全性とは、【クライアントが自覚し他者からも承認された性別にとって「同性」であるケア提供者】から、【同意なき介入を受けることが一切ない】ことを指し、その【同意なき介入には性的対象として見ることまでが含まれる】ことが示唆された。
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