研究課題/領域番号 |
24510385
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
鈴木 紀子 横浜国立大学, 男女共同参画推進センター, 特任教員(准教授) (40625117)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会貢献 / 女性労働 / キャリア形成 / NPO / ソーシャルビジネス |
研究実績の概要 |
科研費による研究3年目となる平成26年度は、これまでの研究を通じて得た知見にもとづいてアンケート調査を実施した。そして、アンケート調査結果の取りまとめを行いつつ、数回の報告を行い、様々な方々から調査結果および分析の方向性などについて、コメントをいただいた。また、平成26年度までに行った聞き取り調査や文献研究の成果の一部を論文にまとめた。 具体的な研究内容は、第一に、日本全国のNPOを支援する団体の事務局長およびNPOを対象にアンケート調査を実施した経験のある行政や調査会社の方々の助言を参考にして、調査対象、調査方法、調査項目などを決めて、調査票を設計した。その後、アンケート調査に必要な準備や手続きを進め、平成26年11月に全国のNPO法人約1300団体(人件費を支出できる財政規模の団体を抽出)に調査票を郵送した(調査対象者:約3000名)。回収した調査票は大学院生などに入力作業をしてもらった後に、単純集計やクロス分析を実施した。 第二に、集計結果をもとにした考察を学会で報告(平成26年3月)するとともに、研究会においても報告(平成26年3月)を行い、他者のコメントを参考にして調査の課題や方向性などを整理した。 第三に、昨年度までに実施した聞き取り調査の結果を論文にまとめて投稿をした。 以上、平成26年度の研究によって、今後、研究を進めていくうえで基盤となるデータを獲得することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度は、所属大学が変わり新しい環境と職務に慣れることに精一杯であり、当初の計画通り、研究を進めることはできなかったが、平成26年度は、そうした環境にも慣れ、ある程度の見通しを持って研究計画を遂行することができた。 平成25年度に実施予定であったアンケート調査を平成26年度に行った。実施時期が遅れたことにより、調査項目や調査対象を検討する時間を多く確保できた。その結果、分析時に使い勝手の良い調査票を作成することができるとともに、当初の想定を上回る調査票を回収することにつながった。なお、学会報告はほぼ計画通り実施、論文作成は若干の遅れがあるものの、これまでの研究成果の一部をまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画と比べ研究の進捗状況は遅れ気味であるが、それは研究計画策定時に想定していた範囲内のものである。平成27年度は、研究のまとめとして平成26年度に実施予定であった分析および成果発表を行い、研究をより深めていく。具体的には、以下について取り組む。 1.アンケート調査の分析と取りまとめの実施: アンケート調査の結果を用いて計量分析による仮説検証を行うとともに、アンケート調査の回答者のうち成果のフィードバックを希望した方に対して報告を行う。また状況に応じて、協力が得られる回答者の一部の方を対象に、計量分析では検証しきれない事項を捕捉するため追加の聞き取り調査を実施する。 2.学会報告と論文執筆による研究成果の発信: 調査結果の分析を深めて、その成果を学会報告や論文執筆などの形で発信していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査の実施が当初の計画から1年遅れたことに伴い、アンケートの取りまとめや追加の聞き取り調査、研究成果の発表などを平成26年度内に完了させることができず、未使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は、前年度に実施することができなかったアンケート調査の取りまとめと分析、追加の聞き取り調査など、研究結果を更にブラッシュアップしていくための研究に未使用分を充当する。また、研究成果を発表するための学会報告や論文投稿などに要する費用として使用する。
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