研究課題/領域番号 |
24520001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
後藤 嘉也 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50153771)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 非対称的共同性 / 公共性 / 過去の克服 |
研究概要 |
[A]非対称的共同性についての研究成果を集約し、公共性をめぐる諸課題を展望した。本研究全体の予備段階として、研究代表者がこれまで行ってきた非対称的共同性に関する研究を振り返り、そこから浮かび上がった公共性をめぐる諸問題を素描した。 (1) まず、非対称的共同性の研究成果を公共性の問題に向けて集約した。それによると、非対称的共同性とは自己に対する他者の優位を意味するが、第三者の登場(正義)という場面ではこの非対称性を部分的に放棄せざるをえない。非対称性に忠実であることは、三人以上からなる共同性である公共性と簡単には両立せず、公共性は統一性として全体性に傾くのではないか、という点を検討した。(2) 自他の非対称的共同性は、統一なき統一(各人が独自な存在である点では非統一だが、その点を相互に保証する点では統一である共同性)であることが見込まれることを示した。しかしこれはアポリアであって、容易ならざる事態であるから、歴史的(通時的)および構造的(共時的)分析の必要性へと導かれた。 [B]戦後ドイツ哲学の展開を「過去の克服と公共性」という視点から追跡した。すなわち、[A]を受けて、ドイツの諸哲学(帰国した、あるいは帰国しなかった亡命者たちの哲学をも含む)が自らに与えられた過去の克服という課題にどのように対処したかを綿密に跡づけることによって、来るべき公共性の思考につなげようとした。 (1) ナチスの政権掌握から第二次大戦にかけてのハイデガーとヤスパースの哲学の動向を政治とのかかわりに結びつけて特徴づけた。そのさい、ナチスへの積極的関与者と国内亡命者と国外亡命者という三類型を理念化した。(2) 戦後ドイツが過去の克服という課題にどう向き合ってきたかを政治史や思想史の場面で浮き彫りにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「研究の目的」を達成するために作成した平成24年度の研究計画・方法にしたがって、[A](1)(2)、[B](1)(2)と区分けした研究をおおむね実施することができたから。
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今後の研究の推進方策 |
24年度の研究成果に照らしながら、申請時に記載した25年度の研究計画・方法を再吟味しつつ、目的の達成に向けて研究を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費について当初計画よりも支出が少なくなり、次年度使用額が発生した。これについては、次年度の研究計画をあらためて精査した上で、研究の目的全体の達成のために物品費または旅費に充てて使用したい。
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