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2012 年度 実施状況報告書

フリードリヒ・ヤコービの哲学

研究課題

研究課題/領域番号 24520003
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道教育大学

研究代表者

佐山 圭司  北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80360965)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード国際情報交換 ドイツ
研究概要

啓蒙哲学ならびにカントの批判哲学から、疾風怒濤、ドイツ観念論、ロマン主義、さらに自由主義までさまざまな思想的潮流の生成と発展に大きくかかわりながら、これまでわが国では十分に解明されてこなかったフリードリヒ・ヤコービの哲学の全貌を明らかにする、という本研究の目的にしたがって、平成24年度は、まず国内外のヤコービに関する研究文献を精力的に収集することから始めた。
そのため、まずヤコービとかかわりの深い思想家の邦語文献を調査・収集し、フィヒテをはじめ邦訳が出版されているものに関しては、本研究のために与えられた物品費で購入させていただいた。しかし、ヤコービにかんする邦語文献は限られているので、本国ドイツで3回にわたり文献収集ならびに研究滞在を行った。
滞在先として選んだのは、マルティン・ルター大学ハレ=ヴィッテンベルクの図書館ならびにヨーロッパ啓蒙研究のための学際センター(IZEA)で、今回はヤコービの政治と経済に関する著作、すなわち『政治的ラプソディー』『続・政治的ラプソディー』『レッシングが語ったこと』などに関連する文献を中心に収集した。ヤコービの政治・経済思想については、邦語文献がほとんどないため、今回の収集で、研究に必要な文献の概要をつかむことができたのは、大きな収穫であった。
また、ハレ大学哲学研究科には、フィヒテの専門家で、ヤコービやドイツ観念論に詳しいユルゲン・シュトルツェンベルク教授がおり、彼のもとで学ぶ若手研究者と研究交流の機会を持ち、知的な刺激を受けたのも収穫であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画にしたがって、ヤコービの政治・経済思想の解明に必要な文献を調査・収集できたため。

今後の研究の推進方策

平成24年度の研究成果は、25年秋に関西学院大学で開催される社会思想史学会の大会において、「ヤコービの自由主義」というタイトルで発表する予定である(すでにエントリー済)。そして25年度は、ヤコービの哲学小説、とりわけ『アルヴィル』や『ヴォルデマール』の検討に進みたい。この両著は、それぞれ1775年と1777年に最初に発表されてから、汎神論論争をまたいで、1792年と1796年に最終版が出るまで、何度も手を加えられている。そこで、改訂の理由を解明すると同時に、執筆年代によってヤコービの哲学がどのように変化したのかを丹念に跡づけていきたい。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度と同様、思想史関連の文献を購入するための物品費が必要であるが、ヤコービの哲学小説にかんしても邦語文献がほとんど存在していないため、ドイツの研究機関で文献収集するための旅費に研究費の大部分を使用することになる。また、国内の学会での研究発表のためにも、ある程度旅費を残しておきたい。

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公開日: 2014-07-24  

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