認知言語学のパイオニアであるラネカー(R. Langacker)による言語におけるsubjectivityとsubjecti-ficationの問題を前置詞alongが登場する文の意味の分析を通じて分析し、最初は空間の運動や移動の具体的表現だったものが、単に認識者であり、発話者である主観の意識の内に内面化され,ある意味では志向性のベクトルへと変化する過程を現象学的に分析した。そして、発話者側でのそのような主観化の働きは、具体的な言語コミュニケーションの場面では、視点の交換の場としての「相互主観性」の領域の成立を前提のしていることを明らかにした。
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