今日、世界的問題になっている科学技術について哲学的考察の可能性を探るため、この主題に独自な哲学的アプローチを行っている代表的な哲学者として、マルティン・ハイデッガー、西田幾多郎、西谷啓治を取り上げ、技術という主題がどのような観点からどのように論じられているかを考察した。科学技術に対する三者のスタンスは異なっているが、本研究は、三者に通じる哲学的知を広義の「場所論的思惟」として踏まえ、この観点から三者の思想的内実を取り出して相互の連関を探り、その現代的意義を考察した。 研究成果は複数の論文や発表で公開し、例年ドイツに出張して発表や報告を行うとともに、海外研究者との研究交流を押し進めた。
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