今後の研究の推進方策 |
平成25年度では、平成24年度までの研究課題に加えて、「身体化された認知」や「拡張された心」という新しい形態での認知科学に関する哲学の問題についても研究していく予定である。さらに、科学哲学の形而上学的基盤と認識論的基盤についても考察していく予定である。 平成25年度は、認知科学の哲学に焦点をあてて、その存在論的基盤を四次元主義の立場から補足していく予定である。特に、Clark and Chalmers (1998) やClark (2008) が提案している〈拡張された心のテーゼ(Extended Mind Thesis)〉の存在論的基盤を中山(2009)で提案した四次元メレオロジーの枠組みを用いて基礎づけることを試みる。これと並行して、本研究の中心となる〈多元的言語論に基づく科学哲学〉のアプローチを、クーンのパラダイム論の批判的検討や化学研究の事例などを通しておし進めていく予定である。 参考文献 Clark, A. (2008) Supersizing the Mind: Embodiment, Action, and Cognitive Extension, Oxford: Oxford University Press. Clark, A. and Chalmers, D. J. (1998) "The Extended Mind," Analysis 1998. 58, no.1, 7-19. 中山康雄(2009)『現代唯名論の構築 ― 歴史の哲学への応用』春秋社.
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