研究課題
平成28年度は、本研究の最終年度であり、個別の研究活動を継続するとともに、全体の研究を成果の形にまとめる活動を行った。平成28年度に行った個別研究は、七種類の研究に分類することができる。それらは、科学技術進化論の研究、(動的)規範体系論理学の法的推論およびアブダクションへの適用、四次元主義の存在論の形式的定式化、規範と存在の関係性に関する考察を文化の描写に適用する研究、(動的)規範体系論理学の命題態度を取り込む形での拡張とその体系の適用、形而上学的考察のロボット研究への応用、Truth-maker理論のブール代数を用いての体系化である。このうち、最も重視されるのが科学技術進化論の研究である。これらのテーマに関する研究成果は、単著図書1冊、英語図書の分担執筆1件、英語論文5件、国際会議などでの単独の英語での研究発表4件、日本語での単独の研究発表2件、英語での共同での研究発表3件(ポスター発表2件を含む)という形で発信されている。本研究は、「多元的言語論に基づいた科学哲学の構築」として始まったが、研究が深められていく中で、科学分野で用いられる言語が多元化するのは科学技術進化のプロセスを通して新分野が多数生まれていくことの結果であることが解明された。この事実を明らかにしたことが、本研究の最大の研究成果である。この成果は、単著『パラダイム論を超えて - 科学技術進化論の構築』で詳述されており、これが平成28年度の研究活動の最大の成果である。また、この著書の核になる部分を英語論文(査読あり)「An Evolutionary Theory for Science and Technology」として公表できた。このような形で、日本語および英語で本研究の最終的成果を国内・国外に発信することができた。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
大阪大学大学院人間科学研究科紀要
巻: 43 ページ: 175, 192
Osaka Human Sciences
巻: 3 ページ: 83, 97
Contemporary and Applied Philosophy
巻: 8 ページ: 15, 42
The Proceedings of Logic and Engineering of Natural Language Semantics 13 (LENLS13), ISBN 978-4-915905-78-0 C3004(JSAI)
巻: 1 ページ: 13 pages
Proceedings of the Tenth International Workshop on Juris-informatics (JURISIN 2016), ISBN 978-4-915905-74-2 C3004 (JSAI)
巻: 1 ページ: 3, 16