研究課題/領域番号 |
24520015
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
望月 太郎 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50239571)
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キーワード | 国際研究者交流 / 哲学実践 / 哲学教育 / クリティカルシンキング / ソクラティックダイアローグ / 哲学カウンセリング / 子供のための哲学 / 持続的開発 |
研究概要 |
第13回アジア学術会議タイ会合国際シンポジウム(バンコク, 2013年5月)で哲学実践マスターコースプログラムのカリキュラムデザインに関して発表(ポスターセッション)を行った。また、チュラロンコン大学文学部哲学科と共同で Roundtable on Critical Thinking and Philosophical Practice を企画・開催(バンコク, 2013年12月19-20日)、韓国、シンガポール、カンボジア、オランダからゲストスピーカーを招いて、日本、タイ及びその他アジア地域における批判的思考(クリティカルシンキング)教育と哲学実践(フィロソフィカルプラクティス)の特徴的傾向について討議するとともにオランダにおける哲学実践の動向についても報告を受けた。さらに、プノンペン王立大学人文社会科学部哲学科及びパンナサストラ大学人文社会学部と共同で哲学カフェを企画・開催(プノンペン, 2014年3月26日)、上記のマスターコースプログラムで授業担当予定の教員のトレーニングと学生に対する啓蒙を行った。 上のような活動を通して、パンナサストラ大学人文社会学部大学院に設置予定の同マスターコースプログラムの教育内容となるソクラティック・ダイアローグ、哲学カウンセリング、子供のための哲学等についての理解を深め、また現地の教育風土に即した哲学実践のありかたを探究した。また同時に、チュラロンコン大学における批判的思考教育の改善に対して貢献した。なお、上記の Roundtable の概要は、当日の録音をもとにテープ起こしを行い、報告書を作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度は前倒しでカリキュラムデザインを進め、その概要を完成し、実務レベル協議も行い、コースの設置機関も決まり、プログラム実施の目処が立ち、予定よりも早く研究が進んだが、今年度に入ってから現地の政情不安定もあり、実務担当者の交替等のため、プログラム実施に向けての段取りがあまり進んでいない。また、教科書の編集・執筆に関しては、編集委員会を立ち上げたものの、各章の執筆者の選定に手間取り、編集が予定より遅れている。他方、本年度12月に開催した、チュラロンコン大学文学部での Round Table について、参加者の希望によりテープ起こしを行い報告書を作成するなど、予定外の仕事も入り、現段階の達成度は、当初の計画の80%程度であると見積もられる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の最終年度を迎えるわけであるが、平和実現のための哲学実践マスターコースプログラムの実現に向けて、同コースの教育スタッフのトレーニングを目的とした1週間程度のセミナーを実施したい。また、教科書『Philosophical Practice for Peace Building in Asia』(仮題)の刊行に向けて、各章の執筆と編集をカンボジア、タイ、オランダの連携研究者と緊密に連絡を取りながら共同で進める。さらに、2014年11月にはパンナサストラ大学人文社会学部大学院において同コースの授業を開始したい。チュラロンコン大学文学部での共同研究に関しては、本年度12月に開催した Round Table の報告書を完成し、公表する。
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