研究実績の概要 |
平成27年度は哲学実践マスターコース用テキストブックの編集を現地(カンボジア)の研究協力者に委託し、完成した(カンボジア語、英文名:Philosophy and Critical Thinking)。哲学とは何かという問題から説き起こし、比較哲学史概観、子供のための哲学、哲学カウンセリング、哲学カフェ、問いの技法、クリティカルシンキング、論理学初歩を含んだ内容となっている。今のところ出版元が見つからないため公刊に至っていないが私家本として製本し下記のセンターで使用している。 諸般の事情から予定していた国際セミナーは開催出来なかったが、代わりにプノンペン王立大学人文社会学部哲学科からChim Phorst講師を大阪大学大学院文学研究科へ招へい、研究代表者と共同で集中講義(現代思想文化学講義「発展途上国における教育開発のための哲学実践」)を実施し、カンボジアで平和構築のために哲学実践がなぜ必要か、どのように行われているか、どのように展開されるべきか、受講者とディスカッションを行った。同時に、チュラロンコン大学文学部哲学科(タイ、バンコク)からDr. Kasem Phenpinant講師を招き、集中講義での討議に加わってもらった。また12月22日、同講師による公開講演会「ハンナ・アーレントのAmor Mundi概念について」を実施した。 現地におけるマスターコースの設置については、当初は現地の私立大学に置くことを目論んでいたが、実務担当者の異動等の事情により困難が生じたため、NPO法人Prajnasastra Vihara, Centre for Philosophical Practiceを立ち上げ、このセンターを中心として活動を始めた。プノンペン市内でPhilosophy Cafe Cambodiaが定期的に開催されており、その活動はFacebookでも紹介されている。
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