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2014 年度 実績報告書

倫理学における普遍主義の再検討―物語論、判断力論の視点から―

研究課題

研究課題/領域番号 24520021
研究機関熊本大学

研究代表者

八幡 英幸  熊本大学, 教育学部, 教授 (70284718)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード普遍主義 / 規範理論 / 判断力 / 物語 / 格率 / 行為原則 / 二層理論
研究実績の概要

最終年度(平成26年度)及び過去三年間の主な研究成果は以下の通りである。
当初の研究計画に掲げた三つの目標のうち、【1】「カント以降の普遍主義的な規範理論にとっての判断力の意義の明確化」については、「倫理学における判断力の問題(3)」(2012)で示した「格率あるいは行為原則の物語性」が最も重要な成果である。また、二年目、三年目には、研究代表者の論文(「判断力の自己自律」等)に刺激を受けた若手研究者との意見交換を通じ、カント倫理学及び判断力論の発展史研究を深めることができた。その成果の一部は書評論文(所収:『現代カント研究第13巻』(近刊))の形にまとめた。
【2】「物語論と判断力論の関連の明確化」については、様々な偶然的な所与に対し、時間及び意味の秩序を与え、自己同一性の基盤を形成する機能(その重要性については、普遍主義の賛否を超えて意見の一致が見られる)を持つものとして両者(物語と判断力)をとらえるという結論に達した。この点については、哲学の特殊講義等において研究(ライフヒストリー研究を含む)のまとめを行っている段階である。
【3】「普遍主義的な規範理論の評価の再検討」については、上述の「格率あるいは行為原則の物語性」との関連から、現代の理論としてR.M.ヘアの二層理論(近年、選好功利主義の立場とは独立に評価されている)を検討し、その成果を論文「倫理学における判断力の問題(3)」(2014)として公表した。また、以上のような研究から得られた視点は、研究代表者が続けている道徳教育に対する関与にも反映されている(「哲学・倫理学の研究者は道徳教育にどう関わるか」(近刊))。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 熊本市教育センター教員研修(道徳教育)における大学教員と現職教員の連携の試み2015

    • 著者名/発表者名
      八幡英幸
    • 雑誌名

      熊本大学教育実践研究

      巻: 32 ページ: 137-144

    • DOI

      http://hdl.handle.net/2298/31955

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 哲学・倫理学の研究者は道徳教育にどう関わるか2015

    • 著者名/発表者名
      八幡英幸
    • 雑誌名

      倫理学研究(関西倫理学会)

      巻: 45 ページ: 未定

  • [雑誌論文] 倫理学における判断力の問題(4):R. M. ヘアの「二層理論」を中心に2014

    • 著者名/発表者名
      八幡英幸
    • 雑誌名

      熊本大学教育学部紀要

      巻: 63 ページ: 53-62

    • DOI

      http://hdl.handle.net/2298/31601

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 哲学・倫理学の研究者は道徳教育にどう関わるか2014

    • 著者名/発表者名
      八幡英幸
    • 学会等名
      関西倫理学会
    • 発表場所
      大阪教育大学
    • 年月日
      2014-11-09
    • 招待講演
  • [図書] 現代カント研究第13巻2015

    • 著者名/発表者名
      加藤泰史・舟場保之(編)
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      晃洋書房

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公開日: 2016-06-01  

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