研究課題/領域番号 |
24520025
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
長町 裕司 上智大学, 文学部, 教授 (90296880)
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研究分担者 |
竹村 牧男 東洋大学, 文学部, 教授 (20175699)
宮本 久雄 上智大学, 神学部, 教授 (50157682)
田中 裕 上智大学, 文学部, 教授 (70197490)
伊藤 益 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (80184662)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 宗教哲学 / 共生の知 / キリスト教思想 / 日本的霊性 / 仏教思想 / 京都学派 / 日本思想史 / 神の死 |
研究実績の概要 |
平成26年度には、本研究プロジェクト課題の更なる推進にとって、以下のような進展と成果が見出せた。 (1)研究代表者は、2014年10月25日(土)/26日(日)に東京・四ツ谷の上智大学で開催された〈2014 Sophia-Symposium Erkenntnis durch Erzaehlung〉(国際シンポジウム)にて一つの講演(ドイツ語にて)を行い、20世紀以降の西欧の宗教思想に襲来している「神の死」の問題とニヒリズムについて論じた(講演題目:Zum Erkenntnisstand-punkt in der erzaehlenden Rede Friedrich Nietzsches ― Anhand der Beispiele seiner Rede ueber den Tod Gottes ―)。国内外からの研究者との活発な議論を通じて、当研究課題が焦点とする〈宗教哲学的思索を通じての共生ための知〉を考究する上で重要な対話促進の機会であった。 (2)本科学研究費共同研究の主催で、宗教哲学フォーラムNo.3『日本的霊性と現代の宗教哲学』(2015年3月21日/22日、於 上智大学特別会議室)を開催し、京都学派と鈴木大拙の宗教的思索の今日的な意義と現代キリスト教的宗教思想からの応答を巡って、京都からの研究者と東京近辺の宗教哲学者たちが会合し、極めて発展的に現在の日本が直面する精神史上の根本問題を仏教とキリスト教に通底するものとして追究することができ、更なる展開への展望を確認できた。 本年度は、研究代表者と各研究分担者がそれぞれの研究領域における研究課題を一段と深化して推し進める年度であったと振り返ることができ、講演や論文執筆などにおいてその成果を示していると自己評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に企図した研究目的は概ね順調に進展しているが、それは各研究分担者の真摯な研究推進と研究代表者との協力体制によるものと共に、日本内の宗教思想研究者の惜しみない協力と、更に海外の研究者からのシンポジウムの機会などを通じての積極的な寄与に多くを負うものである。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に「補助事業期間延長承認申請」を行ったのは、研究成果を総合的に纏め上げる必要性に基づくからであるが、今後の研究推進方策としては、新しい挑戦を開拓することは控え、これまで3年度に亘った研究成果を明らかにしてゆくことに傾注する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果を纏め上げる段階に入り、この3年間に亘る研究推進からの学術書の出版計画準備のための更なる期間を必要としていることが、次年度未使用額が生じた主な理由です。
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次年度使用額の使用計画 |
上述の当研究課題からの学術書出版へ向けて未使用額を充当する予定です。
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