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2012 年度 実施状況報告書

メルロ=ポンティ存在論と芸術の位置に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520027
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京電機大学

研究代表者

本郷 均  東京電機大学, 工学部, 教授 (00229246)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードメルロ=ポンティ / 絵画 / セザンヌ / クレー
研究概要

まず、論文「直接性の隔たり-絵画と音楽を手がかりとして」(「ミシェル・アンリ研究」)は、前研究「メルロ=ポンティの存在論構想における「芸術」の寄与」による成果を受けつつ、メルロ=ポンティの絵画論とミシェル・アンリのそれとを比較検討し、「隔たり」を軸として、特に両者とも、なぜ音楽についてではなく絵画について語るのかについて考察した。これはこれまでのところ、あまり考察されていないテーマに踏み込んだものと考えている。
次に、論文「メルロ=ポンティと二分法」においては、これも前研究の成果を踏まえつつ、メルロ=ポンティにおける「セザンヌの懐疑」と『眼と精神』における二分法の扱い方を比較検討することで、後期の主要概念の一つ「可逆性」の性質を明らかにできた。
ここから、更に一歩を進めるべく、本年は、フランス国立図書館におけるメルロ=ポンティの草稿確認に加え、後期メルロ=ポンティが強く示唆を得ているクレーについての研究を深めるべく、Zentrum Paul Kleeを訪問し、「絵画創造についての教育ノート」などを確認した。このことによって、Kleeについて、色彩理論に於けるゲーテの影響、空間構成に於ける幾何学との関係などの思考が確認できた。このことによって、メルロ=ポンティ『眼と精神』や晩年の「講義ノート」における知覚と絵画との位置づけ関係などを考察するための基盤の一端を整えることができた。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、マティスとクレーとに即して考察を進める予定であった。クレーのノートを確認することによって、メルロ=ポンティがこれを直接読んでいるわけではないからこそ、クレーとメルロ=ポンティの発想の等根源性の意味を考察することが可能となったという点で、今後の本研究の進め方について大きな示唆を得ることが出来た。一方、マティスについての確認を本年は行うことが出来なかった点が遺憾である。また、哲学者との比較に関しては、ハイデガーとの比較を進めつつあるところである。

今後の研究の推進方策

今後は、クレーの二つの著作(『造形思考』と『無限の造形』)の検討を通じて、クレーにおける絵画の意味の探求と、メルロ=ポンティがそれをどのように彼の存在論の中で受容しているかについて、考察を進める。一方で、特に色彩に関しては、マティスの研究が必要であるが、可能な限りこちらにまで歩を進めたい。
一方で、哲学的には、やはりハイデガーとの関連の検討を深め、両者の交錯点へと考察を深化させることで、メルロ=ポンティがいかにハイデガーを受容したか(しなかったか)、この点を明確にしていきたいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

まず、例年通り、パリにおける遺稿調査を行う。加えて、引き続きクレーの調査、及び可能であれば、マティスの調査も行う予定である。以上についての旅費の支出を計画している。
また、関連図書・資料の購入に研究費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 直接性の隔たり-絵画と音楽を手がかりとして2012

    • 著者名/発表者名
      本郷均
    • 雑誌名

      ミシェル・アンリ研究

      巻: 第2号 ページ: 47-65

    • 査読あり
  • [雑誌論文] メルロ=ポンティと二分法2012

    • 著者名/発表者名
      本郷均
    • 雑誌名

      メルロ=ポンティ研究

      巻: 第16号 ページ: 87-99

    • 査読あり
  • [備考] メルロ=ポンティ草稿(マイクロフィルム)へのアクセス方法

    • URL

      http://homepage3.nifty.com/mpc/page001.htm

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公開日: 2014-07-24  

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