研究課題
平成28年度においては、研究代表者は、本研究課題との関連で英語論文 "Why Didn't Socrates Escape?"を完成した。また11月には英国ケンブリッジ大学を訪問、同大学のG.E.R.ロイド教授、D.N.セドレイ教授、M.スコフィールド教授、G.ベテク教授らと、本論文を中心とする問題について意見交換する機会を得た。研究成果は、チリ・カトリック大学のM.ボエリ教授、チリ、ロス・アンデス大学のJ.ミッテルマン教授、および研究分担者の金山弥平を編者として出版予定の Soul and Mind in Greek Thought. Psychological Issues in Plato and Aristotleの1章となる予定である。本論文は、プラトン『クリトン』第3部に登場する国法の議論の解釈をめぐる学者間の論争におけるいわゆる "separationist view"に反論し、プラトン初期対話篇におけるソクラテスの正義思想の一貫性を明らかにしようとしたものである。また研究分担者の金山弥平も、前掲書の1章としてPlato's Wax Tabletを完成した。本論文は、プラトンの認識モデルとしてWax Tabletが重要な役割を果たしていること、善を頂点とする知も、地勢学的な認識のうちに成立することを明らかにしようとしたものである。Soul and Mind in Greek Thoughtは、現在、ドイツの出版社との間で早期の刊行に向けて交渉中である。また研究代表者は、正義の問題を集中的に扱うプラトン『ゴルギアス』の翻訳も並行して進めた。本研究助成の援助を得て始められた翻訳は、できるだけ早い刊行を目指して現在なお継続中である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
人文研究
巻: 48 ページ: 23-60
Tetsugaku
巻: 1 ページ: 169-183
International Plato Studies
巻: 35 ページ: 249-256
XI Symposium Platonicum; Plato’s Phaedo. Papers, International Plato Society/Annablume Classica, San Paulo
巻: ― ページ: 440-450
臨床精神病理
巻: 37 (2) ページ: 119-123
Journal of the School of Letters, Nagoya University
巻: 13 ページ: 11-26