研究課題/領域番号 |
24520055
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研究機関 | 開智国際大学 |
研究代表者 |
杉木 恒彦 開智国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40422349)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | インド密教 / ヴァジュラダーカ / サーダナニディ |
研究実績の概要 |
本研究計画は、『ヴァジュラダーカ・タントラ』の主要な章(ならびにそれに並行して『サーダナニディ』の関連章)のサンスクリット語校訂テキストを作成することを主目的とする。本年度、『ヴァジュラダーカ・タントラ』の第11、15、19章と、『サーダナニディ』の第3、4、5、6、7、8章の校訂テキスト作成が完了し、それらの内容分析(他文献との並行箇所の指摘を含む)とともに、英語論文の形で査読付き学術誌や学術論集への投稿(後者第8章については国際会議での口頭発表における資料として配布)を行った。具体的には、『開智国際大学紀要』15号と『早稲田大学高等研究所紀要』8号と『智山学報』65号(いずれも複数の専門家による査読付きで、掲載論文はWeb上で公開される)と、第1回Zurich International Conference on Indian Literature and Philosophy (ZICILP、於チューリヒ大学) である。それらいずれの文献・章も、世界初の校訂テキストならびに内容分析の刊行となる。同時に、『ヴァジュラダーカ・タントラ』の第12、13、16、17、29、30、32、33、34、35、37、41、43、50章と、『サーダナニディ』の第1、2、3章についてもおおむね校訂・内容分析の作業は完了しつつあり、それらのうち、投稿規定(文字数の制限)に合う範囲のものを、2016年度に学会等で口頭発表や学術誌への投稿が確実にできる見込みである。これにより最終年度となる2016年度で本研究計画を完遂する道筋ができあがったと、研究代表者は考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」欄に記した通り、『ヴァジュラダーカ・タントラ』ならびに『サーダナニディ』の該当章の校訂テキストの作成・発表を行うことができたため、また2016年度における発表のめども立っているため、おおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
上述「研究実績の概要」に記した残りの作業(研究と発表)を、最終年度となる2016年度に確実に仕上げる。その後、本研究の研究計画に記したように、『ヴァジュラダーカ・タントラ』の該当章全体の校訂テキスト刊行のために、書籍としての整備と出版助成へ申請を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進展にともない研究計画の範囲を拡大したため、1年の研究期間延長を見越して2年前から資金配分を再検討してきた。そのため、2014年度の余剰金に、2015年度の余剰金を加えて、上述の金額となっている。2015年度に関していえば、、とりわけ旅費を大いに節約することができた。インド出張とスイス出張において、ともに可能な限りの格安の航空チケットを利用した。また、成果発表のためのスイス出張は招待パネリストとして参加できたため、滞在費の大部分を先方(チューリヒ大学)が負担してくれた。あと1年の研究計画を実施するのに適当な金額を残せたと考えている。
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次年度使用額の使用計画 |
学会での研究成果発表のための旅費、英語をネイティヴとする研究者に対する英語論文校閲謝金、ならびに若干の二次資料の補充(書籍購入・論文コピー)に主として用いる予定である。
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