研究課題
基盤研究(C)
仏教論理学の歴史上もっとも輝かしい存在であるディグナーガ(陳那、480-530頃)の主著『集量論自注』は、その梵語原典が失われて久しく、必ずしも良好とは言えない二種のチベット語訳によって研究されてきた。本研究は、チベットの僧院で発見された同書に対するジネーンドラブッディ(8-9世紀)の『複注』の梵語写本を校訂・翻訳し、ディグナーガの『自注』の梵語テキストを再構築することにより、仏教論理学のより正確な体系的理解を深めることを目指した。既に校訂を終えていた同書第3章に加えて、今回第4章・第6章の校訂を完了した。この成果は、出来るだけ早く出版する予定である。
インドにおける論理学の発展史・大乗仏教哲学