研究課題/領域番号 |
24520059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 都城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
藤永 伸 都城工業高等専門学校, 一般科目文科, 教授 (70209071)
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研究分担者 |
八木 綾子 京都大学, 文学研究科, 研究員 (20612021)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ジャイナ教 / ヴィナヤ / ピーティカー / マラヤギリ |
研究概要 |
本年度は、まずヴィヤヴァハーラ経のピーティカー部分をマラヤギリ注を参照にしながら講読し、バーシャの日本語訳を作製した。続いて第一章の第一経文およびバーシャをマラヤギリ注に従って読み進めることができた。この作業を通じて、概ね次の三点を達成できた。1)バーシャ中に現れる重要用語に対する日本語の選定。2)先行する英語、ヒンディー語など諸訳との比較検討。3)300偈に及ぶバーシャの構造の決定。これらについては次の様な意義と重要性がある。1)本研究はジャイナ教教団戒律に関する日本での初めての試みであり、訳語の選定は最も重要である。仏教と共通する用語もあるが、本研究では可能な限り現代日本語を使用して、今後の本分野での基礎となることを目指した。2)ピーティカー部分に関しては英訳が存在し、本研究でも指針として使用した。しかし、バーシャ理解に関して意見を異にする部分が約三分の一であり、独自の解釈を行った。これは先行研究を尊重しつつも盲従しないという研究の基本にしたがったものである。またヒンディー語訳は直訳的な部分が多く、より深い日本語訳を行うために参照した。なお、バーシャに関しては英訳も可能な限り作製し、将来の完成に備えている。3)経本文を説明するバーシャは複雑な構造をもっていることが講読の過程で明らかとなった。この構造を解明することは経本文自体の深い理解にも繋がり、またピーティカー部分の役割を理解するためにも重要な意味を持つ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マラヤギリ注を参照にしてヴィヤヴァハーラ経を解読するという目標は概ね順調に達成されている。また写本の入手に関してはチュールニ写本に関してほぼ達成された。しかし、実地研究は現地との連絡を取ってはいるものの行うには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
基本的にマラヤギリ注を参照にしてヴィヤヴァハーラ経の解読を進める。また入手した写本を文字化する作業を行う。合わせて現地調査を実行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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