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2014 年度 実施状況報告書

幕末維新期の長州真宗僧に関する史料と口承による総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520067
研究機関山口県立大学

研究代表者

安溪 遊地  山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (50149027)

研究分担者 井竿 富雄  山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (10284465)
鈴木 隆泰  山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (20282709)
岩田 真美  龍谷大学, 文学部, 講師 (90610642)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード幕末維新 / 仏教僧 / 浄土真宗 / 島地黙雷 / 宇都宮黙霖 / 石泉文庫 / 長州 / 山口県
研究実績の概要

1.1年目と2年目に収集した史料・聞き取りの整理。盛岡市でのフィールドワークで収集中の島地黙雷関係史料と、呉市の石泉文庫で収集した文書のデジタル化と編集を進めている。収集が完了していないため、ひきつづき4年目に作業を行う予定である。
2.山口県防府市富海(とのみ)地区でのフィールドワークを実施し、香川葆晃が筆を執った墓碑などから、維新の策源地であった長州と京大坂を結ぶ港であった富海が、志士と仏教僧と地域の結びつきについて重要な役割を果たす場所であったことについて知見を深めた。
3.島地黙雷らの長州4傑といわれた真宗僧の、倒幕の闘いにともに闘った明治政府要人への働きかけが功を奏して、明治8年には廃仏毀釈の嵐が収まったのだが、その直後の明治9年2月に再建された石碑などから、仏教の再興の動きを具体的に把握することに努めた。具体的には、山口市徳地串の臨済宗の寺院本光寺に現存する石碑と、幕末の元治元年の板に記した稿文とを対比しながら、鉄舟や大拙といった著名人を育て、弟子の宗演が禅宗の海外布教に努めた僧・洪川の岩国永興寺時代の事績のひとつを地域との協働によって発掘することができた。
4.赤松連城らが赴任した台湾本願寺などの事績の研究から、明治時代の日本仏教の海外進出の状況についても史料を収集しつつある。また、山口市北部の阿東徳佐地区の曹洞宗寺院における僧侶の日誌のデジタル化などから、明治以降仏教寺院が地域社会において果たしていた役割の多彩さを知ることができた。
5.国立国会図書館の憲政資料館において、寺内正毅・品川弥二郎・曽祢荒助などの政治家の文書類の中から、宗教関係者とやりとりした書簡を収集することで、政治家の側からみた宗教者の位置づけを考察する手がかりとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年目に閲覧/デジタル化を開始することができた島地黙雷・宇都宮黙霖関連の複写作業を完了させることをめざしたが、寺院側とのスケジュール調整などのために完了させることができなかった。

今後の研究の推進方策

ひきつづき島地黙雷・宇都宮黙霖関連の史料の全体象の把握につとめて、DVD-ロムのような形での公表をめざしていく計画である。それとともに、収集した他の資料やききとり資料をとりまとめていく計画である。

次年度使用額が生じた理由

年度内に、盛岡市の寺院と呉市の寺院での史料収集を終える予定であったが、寺院とのスケジュール調整の結果、来年度に延期することが適当と認められたことから。

次年度使用額の使用計画

盛岡市願教寺および呉市専徳寺におけるフィールドワーク(史料のデジタル化と聞き取り)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 近代の妙好人伝にみる女性仏教者像2015

    • 著者名/発表者名
      岩田真美
    • 雑誌名

      龍谷大学論集

      巻: 485 ページ: 1-22

  • [雑誌論文] 戦後における親鸞論と森龍吉の「真宗思想史」構想2014

    • 著者名/発表者名
      岩田真美
    • 雑誌名

      真宗学

      巻: 第129・130合併号 ページ: 369-387

  • [雑誌論文] 明治期の真宗にみる新仏教運動の影響―高輪仏教大学を事例として―2014

    • 著者名/発表者名
      岩田真美
    • 雑誌名

      真宗研究

      巻: 58輯 ページ: 93-111

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公開日: 2016-05-27  

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