研究課題
基盤研究(C)
本研究は、近世被差別民衆における宗教上の身分上昇志向を明らかにした。伴って、近世国家の宗教が天皇に結節される点を考察した。具体的には、被差別民衆(「かわた」村民衆)の浄土真宗信仰を近世国家に積極的に位置づけ、世代間で継承される身分を宗教的に克服していこうとする被差別民衆の上昇志向を明らかにした。このような近世被差別民衆の身分上昇志向には、被差別民衆からの「御用」と本願寺教団からの「御免」という利益と承認を与え合う互恵的関係が存在した。
宗教学