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2012 年度 実施状況報告書

イスラームにおける伝承の形成と、その法学・思想との関係に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520082
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

柳橋 博之  東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (70220192)

研究分担者 吉田 京子  東京大学, 人文社会系研究科, 助教 (00503872)
竹下 政孝  東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (30163398)
鎌田 繁  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70152840)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードイスラーム思想 / イスラーム法学 / イスラーム神学 / イスラーム哲学 / シーア派 / 12イマーム派 / イスマーイール派
研究概要

24年度は,それぞれの分担者が各自の担当課題について論文を掲載した。柳橋は,法学の展開における預言者伝承の位置付けの研究を担当しているが,当年度には「巡礼の履行不能をめぐるハディースと法学説について」を公刊し,そのなかで巡礼をめぐる預言者伝承と法学規定の相互の影響を歴史的に跡付けた。吉田は、12イマーム派伝承を考察対象としているが、当年度は、夢をめぐる論考として「12イマーム・シーア派の夢議論」を公刊した。吉田は、イマームのことばが直接信者の信仰、日常生活に影響し、取り入れられている一例として、夢判断を祈祷とならぶ領域とみなしている。しばしば占いなどのサブカルチャーの範疇に留められる夢判断がどのように法学的、神学的に承認され解釈されているのかを考察した。竹下は,スーフィズムにおける預言者伝承の位置付けを担当しているが,当年度は『イスラームを知る4つの扉』を上梓し,そのなかで預言者伝承やスーフィズムも含むイスラーム思想を俯瞰した。鎌田は「『存在認識の道』ー 井筒東洋哲学を支えるもの」において,モッラ・サドラーの哲学について考察したほか,,「マハディーとマイトレーヤ(弥勒仏) - イスラームと仏教における救済者 - 」(同英文 "Mahdi and Maitreya (Miroku); Saviors in Islam and Buddhism " )や「聖典解釈と哲学 イスラーム神秘思想の営み 」『比較思想研究』では,イスラーム神学と仏教思想の比較を試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者および研究分担者は,それぞれの担当の研究課題について,それとちょうど合致するか,またはそれとある程度の関わりのある著書・論文を少なくとも1点は刊行しており,初年度としてはまずまず予定通りに研究計画が遂行されていると評価することができる。

今後の研究の推進方策

今年度は,竹下が退任のために研究計画から外れ,代わりにイスマーイール派(シーア派の分派)の神学・哲学を専門とする菊地が研究分担者として加わる。研究の推進の方法は従前と変わるところはなく,各自がそれぞれの担当分野において,思想と伝承の関係や相互の得教について考察を深める作業を進める。ただし今年度の計画としては,各自が研究成果を持ち寄って報告会を開くことも予定している。

次年度の研究費の使用計画

130万円の直接経費の配分があるところ,柳橋のイスラーム法関係資料の調査・収集のために国内外の旅費として50万円を計上する。そのほか,イスラーム法学・神学・哲学関係図書の購入に80万円程度の支出を見込んでいる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] スーフィズムにおける身心変容技法2013

    • 著者名/発表者名
      鎌田繁
    • 雑誌名

      身心変容技法研究

      巻: 2 ページ: 97-105

  • [雑誌論文] 巡礼の履行不能をめぐるハディースと法学説について2012

    • 著者名/発表者名
      柳橋博之
    • 雑誌名

      イスラム世界

      巻: 78 ページ: 1-33

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 神学論理学研究 オスマン朝における神学と論理学2012

    • 著者名/発表者名
      竹下政孝
    • 雑誌名

      Kyoto Series of Islamic Area Studies

      巻: 7 ページ: 79-94

  • [学会発表] アーシューラー:英雄譚としてのフサイン伝

    • 著者名/発表者名
      吉田京子
    • 学会等名
      研究会「アシュラの事件についての社会的歴史的考察」
    • 発表場所
      イラン・イスラーム共和国大使館文化交流センター(東京都)
  • [学会発表] 聖典解釈と哲学 - イスラーム神秘思想の営み

    • 著者名/発表者名
      吉田京子
    • 学会等名
      比較思想学会研究例会
    • 発表場所
      大正大学(東京都)
  • [学会発表] スーフィズムにおける心身変容技法について

    • 著者名/発表者名
      鎌田繁
    • 学会等名
      身心変容技法研究会
    • 発表場所
      京都大学稲盛財団記念館(京都市)
  • [学会発表] 他者との共生とイスラーム

    • 著者名/発表者名
      鎌田繁
    • 学会等名
      東洋大学国際哲学研究センター
    • 発表場所
      東洋大学(東京都)
  • [図書] イスラームを知る四つの扉2012

    • 著者名/発表者名
      竹下政孝
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      ぷねうま舎

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公開日: 2014-07-24  

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