現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に示した文献のうち、第一年度(平成24年度)に予定通り調達できた文献は、次のとおりである。Zaman, Niaz(2000) A Divided Legacy: The Partition in Selected Novels of India, Pakistan, and Bangladesh, Oxford University Press; Bose, Sugata and Ayesha Jalal (2004) Modern South Asia: History, Culture, Political Economy, Routledge; Aziz, K. K. (1993) Public Life in Muslim India, 1850-1947: A Compendium of Basic Information on Political, Social, Religious, Cultural, and Educational Organizations Active in Pre-partition India, Renaissance Publising House。これらについては、なお分析の余地を残してはいるが、インド社会におけるヒンドゥーとムスリムの共存と葛藤の歴史を予定通り辿りつつある。さらに、上記のジャラールの見解に到達できたことは、大きな収穫であった。これらの他に、インド・パキスタン分離独立関係の書籍を数冊入手し、既に手元にある『ガンディー全集』とともに鋭意分析を進めており、研究はおおむね順調に進展していると見なしてよいと思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
研究の第二年度に当たる平成25年度は、ヒンドゥー、ムスリム両宗派による複合的な他者意識が、イギリスの分離政策の結果として排他的民族意識へと収斂してゆく過程を辿り、ガンディーがいかにそうした流れに抵抗しようとしていたかをジンナーとの論争などを通じて検討する予定である。そのためには、研究計画に示したChakrabarty,Bidyut(2005) Communal Identity in India: Its Construction and Articulation in the Twentieth Century, Oxford University Press; Syed Ali (2002) The Demand for Partition and the British Policy, Mittal; Butalia, Urvashi(2000) The Other Side of Silence; Gov't of India (1949) Partition Proceedings, vols.1-6; All India Muslim League (1944) Jinnah-gandhi Talks, etc.; Merriam, A. H. (1984) Gandhi vs Jinnah: The Debate over the Partition of India, Minerva Associates (Publications) PVT. LTD.などを分析する必要がある。 また、第三年度に当たる平成26年度は、ガンディーの国家観を西洋近代の国家論と比較検討する予定となっている。そのためには、研究計画に示したホッブス、ロック、ルソー、モンテスキューらの諸文献を取り揃え、分析する必要がある。
|