研究課題/領域番号 |
24520090
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
樋口 浩造 愛知県立大学, 日本文化学部, 教授 (30243140)
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キーワード | 慰安所 / 南京 / 英霊 |
研究概要 |
戦争の記憶・表象に関する研究は歴史学を中心に現在盛んに行われているが、それを思想史的に研究する方法は、いまだ未確立である。様々な記念館や記念碑を比較思想史的に論じることは、フィールドワークとテクスト分析の交差する地点での思想史研究であり、思想史研究の新たな研究領域を切り開くものとなるはずで、そのための基礎的な研究を本年度も行った。 1,昨年度に行った南京での聞き取りを資料として、活字に残すことができた。共著「証言:日中戦争下南京の日本軍慰安所-松下富貴楼・土地所有者の記憶 解説及び注記] 『日本文化学論集』5。 2,また、夏にシンガポール・及び台湾を調査することができたことは、今後のナショナリズム理解に重要な視点を与えられた。特にシンガポールが、同国人意識を持つことの困難な国であり、それをナショナルズであろうと常に継続的に努力している国であることは、ナショナリズムが作られたものであることを如実に表しており、参考になった。 3,また、愛知県内の戦没者慰霊の紹介原稿を書くこともできた。「愛知に眠る「英霊」たち」『大学的愛知ガイド』昭和堂
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基礎的な調査は継続して行っているが、それを思想史的に論じることの方法的困難が克服できないでいる。
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今後の研究の推進方策 |
基礎的な調査、資料収集など、できるところを継続して行っていく。 それとともに、理論的な枠組みの準備のための研究が必要になってきているように感じる。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末(3月)の複数回の調査の都合で若干のあまりが出た。 誤差の範囲であり、次年度の研究計画を予定通りに行う。
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