2015年度は、前年度に引き続き、主権論の法学における受容と展開に関する調査・研究と、哲学における主権をはじめとする関連諸概念、とりわけ人格概念をめぐる論議に関する研究を行うとともに、収集した史料に基づく研究成果の発表を行った。すなわち、国立国会図書館憲政資料室の所蔵する史料(「松方正義関係文書」、「佐々友房関係文書」、「牧野伸顕関係文書」、「渡辺佳英旧蔵憲法改正資料」、GHQ関係文書など)の収集・整理・目録化・分析、西洋中世後期から近代初期の主権論の研究、さらに論文「人格という「形」――法的概念を受容するということ」などの公刊・発表である。
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