研究課題/領域番号 |
24520108
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
並木 誠士 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (50211446)
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キーワード | 狩野派 / 中国絵画 / 廿四孝図 / 瀟湘八景図 / 帝鑑図 / 韃靼人図 |
研究概要 |
平成25年度の研究では、中国画題の受容の一環として、桃山時代の、とくに大画面絵画における中国主題の受容についての研究をおこなった。 瀟湘八景図、竹林七賢図、廿四孝図などの中国由来の主題は、それが直接的な影響関係のもとで受容される段階を経て、さまざまなかたちでわが国の従来の画題と融合することになる。 それは様式面でも同様に指摘できる。具体的には金地着色の中国画題の表現を検討した。たとえば、長野県田中本家博物館所蔵の廿四孝図屏風は、金地着色の屏風で狩野山楽筆の伝承をもつ。この作品が、図像面でどのように廿四孝図の伝統を踏まえつつ、どのように新しい表現を求めたかを考察することにより、中国絵画の二次的、三次的受容の実態を明らかにすることができる。 このような観点を踏まえ、平成25年度では桃山時代の絵画における中国主題の作例を重点的に考察した。 また、狩野安信による『画道要訣』の本文分析をおこない、江戸狩野派における中国絵画受容のあり方をテキストを中心に考察した。平成26年度は、この成果を踏まえて、作品調査をおこなう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本務校の移転作業が長引き、必要な調査のいくつかを断念せざるを得なかったことが原因である。平成26年度の早い段階で、調査予定の作品を実見するように努めたい。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、当該テーマに関連する国際シンポジウムで口頭発表をおこない(平成26年5月16日)、その内容を論文としてまとめる。また、美学会西部会例会で発表済みの韃靼人図についての論文をまとめ、学会誌『美学』に投稿する。また、狩野派における中国絵画受容の実態を「手鑑」作品の分析により考察する論文を『大和文華』に投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
端数の使用が困難であったため 平成26年度の物品費等に合算して使用
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