スマトラ島南部に位置するジャンビとパレンバンが石像、鋳造像共に充実し、遺跡群等から7世紀以降、ジャンビを中心とする地域にマラユと考えられる都が置かれていた可能性が高い。中部地域のムアラ・タクス遺跡に密教法具や尊像等の出土記録がみられ、文献等の検証結果よりスマトラ中部から南部にかけて仏教、特に初期密教の信仰があったものと推察される。更にジャンビ出土の鋳造像はジャワ島よりもインドのパーラ朝かマレー半島のドバラバティ様式に近いと考えられ、またスマトラ北部に南インド系の作品が確認できる事等から、スマトラはインド及びマレー半島から文化が伝来し混在していた地域であったと考えられる。
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