遼塔および金塔の第一層塔身には、様々な浮彫モティーフが施される。これらは塔を表面から荘厳するもので、功徳の増幅を目的とし、八大霊塔、仏像、宝塔・経幢、法偈などが(法舎利として)表される。一方、塔内の天宮・地宮にも様々な宝物を納入するが、これも功徳の増幅を目的とし、仏頂尊勝陀羅尼経幢(一切の如来の全身舎利として)、高僧・王族の遺骨(僧舎利として)などである。そのような塔のあり方を保証するため、真身舎利の他に法舎利を用いても仏塔建立が可能とする『全身舎利経』および『仏頂尊勝陀羅尼経』の存在が大きい。遼塔・金塔はそれらの功徳を効率よく視覚化、顕著化し、功徳を保証する効果が期待されていたと理解できる。
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