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2012 年度 実施状況報告書

ドイツ語圏16、17世紀文献にみる西洋初期版画

研究課題

研究課題/領域番号 24520114
研究種目

基盤研究(C)

研究機関金沢美術工芸大学

研究代表者

保井 亜弓  金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (30275086)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード国際情報交換 ドイツ、スイス、オランダ / ザントラルト / 銅版画 / 木版画 / 版画史
研究概要

本年度は、研究の初年度として、基礎文献の収集に努めるとともに、現地調査およびザントラルトの『ドイツのアカデミー』のテクスト読解を中心に行なった。
現地調査(8/26-9/21)は、まずミュンヘンの中央美術史研究所で基礎資料収集を集中的に行うとともに、バイエルン州立図書館において原典資料を、同州立版画素描館において初期版画作品調査を行なった。
当初計画していたバーゼルの調査が先方の都合で不可能になったため、そのかわりにベルリン国立美術図書館において資料収集、同版画素描館においてニュルンベルクのパウル・べハイムの版画コレクション目録(1618 年)を閲覧した。この目録は、作家別にまとめられている点に特徴がある。ザントラルトも記している初期のモノグラミストが記載されていることを確認した。
また、ドレスデン州立美術館版画素描室においても初期版画の調査を行なった。しかしながら、一部の初期版画が展覧会で展示中だったため、直接調査することができないものがあった。
ザントラルトの『ドイツのアカデミー』については、まず全体でどのような版画の記述があるかを確認した。分担者となっている科研研究報告書に1675年刊の『ドイツのアカデミー』第1主要部、第1部、第2書「彫刻」、第6章「直彫り法と腐蝕法について」を訳出し、この章にかんする論文を執筆した。この章は初期版画に直接関連するものではないものの、ザントラルトのテクストにおける版画という問題を考察する際には鍵となる重要な部分であると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ミュンヘンの中央美術史研究所において、本研究の基礎文献となる資料を集中的に収集することができたのは、大きな収穫であった。調査研究のためのリストを大幅に充実させることができた。しかしながら、そのためにミュンヘンにおいてはバイエルン州立図書館での調査の時間を十分にとることができなかったので、今年度にそれを行いたい。
バーゼルの調査のかわりに、ベルリンの国立版画素描館において、パウル・べハイムの版画コレクション目録を調査できたことは収穫であった。この目録についての博士論文が刊行されているとのことだがまだ未見である。
ザントラルトの『ドイツのアカデミー』の記述については、全体の検討を行い、一部の試訳を行った。先行する、ヴァザーリやファン・マンデルとの比較も視野に入れていく必要性があることを認識することができた。

今後の研究の推進方策

当初の計画に従って、昨年度さらに精査したリストに基づき一次資料の海外調査、初期版画作品の海外調査、関連する基礎資料収集の充実、原典資料の読解を中心に研究を行う。
海外協力者であるアド・ステインマン博士の来日に際して、意見交換を行う。ベルリン国立版画素描館ホルム・ベーヴァース博士からは、各調査機関についての情報を得る予定である。
本年度は、バーゼルとミュンヘンで調査を行う予定である。バーゼルでは、バーゼル美術館版画素描室において、バシリウス・アマーバハ目録および関連作品の調査を行う。ミュンヘンでは、昨年度行うことのできなかった、バイエルン州立図書館での原典調査を中心に、中央美術史研究所においての資料収集もあわせて行う。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 西洋近世版画史の一次史料調査2013

    • 著者名/発表者名
      渡辺晋輔、幸福輝、陣岡めぐみ、保井亜弓
    • 総ページ数
      47
    • 出版者
      科研報告書

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公開日: 2014-07-24  

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