研究課題/領域番号 |
24520115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
関村 誠 広島市立大学, 国際学部, 教授 (20269583)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 感性論 / プラトン / プロティノス |
研究概要 |
プロティノスにおける感性の理論が、プラトンから引き継がれて彼自身の哲学に不可欠なかたちで組み入れられている点を明確にするために、まずはプラトン思想の中での、職人における創造活動と国家における浄化の問題について考察を進めた。プラトンにおいて、職人の位置づけは、一方で低い社会的位置付けがなされてはいるが、他方で、職人の創造行為は理想国家の形成において不可欠の要素として組み込まれて、感性で捉えられるものが形而上学的な思索の中で果たす役割の一面を浮き彫りにしようとした。また、ソクラテスの宗教思想から受け継がれたプラトンにおける浄化が、感性の世界に留まりながらも真理に到達しようとする哲学の根幹で機能していることを明確にしようと試みた。その結果を、第34回フランス語哲学連合大会の分科会において、また同大会のシンポジウムにおいて発表した。 また、プロティノスの第1論文「美について」(I-6)、第31論文「直知される美について」(V-8)、第19論文「徳について」(I-2)のテキスト分析を行い、〈美〉の概念のみではなく、それが感性的なものとと関わる際に問題化される概念、すなわち、徳、浄化、類似などの役割と機能とについて考察を遂行した。とりわけ、浄化概念をプラトンの『パイドン』前半部分に見られる同概念の議論と突き合わせつつ分析解釈し、また、『ヒッピアス(大)』から『パイドン』へと受け継がれつつも発展してイデア論と結合した〈美〉の思想についてのプロティノスによる解釈について考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
他の出張と重なり、予定していた科研費による海外出張を3月に行うことができなかった。しかし別経費による8月の出張の際に、プラトンの職人活動および浄化に関する研究発表および研究に関する外部者の批判を受けることができた。研究文献はこれまでに購入したもの、あるいは図書館にある文献を使用した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度においてプラトン思想において検討した問題がプロティノスにおいてどのように展開しているかについて、問題点を整理した上でより詳細なテクスト分析を遂行し考察する。その際、プロティノスの第1論文「美について」(I-6)および第53論文「生命あるものとは何か、人間とは何か」(I-1)について公刊されている詳細な注釈書を参考にする。平成24年度に考察した内容をまとめ、研究発表をする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度までに考察した内容の批判を受けるために、6月に海外出張を行い、ベルギーのブリュッセル自由大学での国際コロキウムにおいて発表する。文献等の購入の上でテクスト分析と考察をさらに進め、平成25年度分の海外出張は3月に行う。
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