本研究は、地域社会における文化芸術の実践において、「持続可能性」を意識させる事業に注目し、その新しい価値創造の可能性を考察した。具体的には、主としてアートNPOらによって自主運営されている、さまざまなアートプロジェクトは、地域の様々な問題に対して、創造的な価値による提案を行うことで、より豊かな生活環境を創出する可能性がることを確認した。 このような状況は、美的価値に対し静観的な姿勢を貫くモダニズム的視点だけでは、把握出来ないものであり、日常生活において「持続可能性」の意識の下で、実践していくべき問題でもある。そして、そこに現代社会における「美学」の使命がある。
|