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2013 年度 実施状況報告書

「細川護立の近代美術に関わる活動の総合的研究‐華族の文化的役割の見地から」

研究課題

研究課題/領域番号 24520121
研究機関京都造形芸術大学

研究代表者

三上 美和  京都造形芸術大学, 芸術学部, 准教授 (90531640)

キーワード細川護立の美術蒐集 / 日本近代の中国仏教美術蒐集 / 日本近代の禅画(白隠、仙厓)の再評価 / 宮本武蔵の書画 / 宝慶寺石仏群
研究概要

平成24年度に作成した細川護立蒐集美術作品リストを、今年度も引き続き充実させた。
昨年度掲げた課題の一点目として、本リストをてがかりに、護立が援助したと言われる陶芸家河井寛次郎に関して検討した。初期作品の購入や交流などが確認され、従来言われてきたことがほぼ事実であったことを確認した。ただし、一部事実と異なる点も見られたため、今後論文等で訂正を行いたい。
つづいて課題の2点目である白隠、仙厓といった近世の禅僧による絵画のコレクションを分析し、従来の研究史との関連を検討した。その結果、護立はこれらの最初期の理解者のひとりであり、そのコレクションもそれらの早い時期の貴重なものであり、現在も重要な意義のあることが確認できた。またやはり近世絵画である宮本武蔵のコレクションについては、当時の再評価と深くかかわっていたこともわかった。
三番目の課題である東洋陶磁コレクションの分析については、陶磁器、仏教遺跡など多岐にわたっているため、全ての検討を終えることは難しいと判断した。そこで本年度は仏教遺物を中心に検討し、中でも宝慶寺石仏群作品について、所蔵の経緯や旧蔵作品の所在確認を行った。そして、ほぼ全ての作品が国立博物館に所蔵されていたことを確認した。また、東京美術学校正木直彦の日記『十三松堂日記』などの資料の検討を行い、護立が東洋陶磁をはじめとしたコレクションを、東京美術学校校長であった正木直彦をはじめとする、美術行政と深くかかわりある人々との交流の中で充実させていった様相を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度の目標はおおむね達成できたものの、東洋美術関係は一部の課題を次年度に積み残してしまった。さらに、昨年度の課題であった関係者へのインタビューはまだ実行できていない。以上のことから、全体としてやや遅れていると判断される。

今後の研究の推進方策

今後の研究は、研究全体を見直し、未検討であった課題を含め、優先順位を付けて進めていく。まずは関係者への取材を行う。続いて、昨年度の研究成果から、護立が美術行政との関係を深める過程でコレクションも充実させていった様相がうかがえることため、彼の文化財行政との関わりについて、コレクションの内容も含めて検討する。それから白樺派との関わり、洋画家との交流と支援についても行うこととする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 河井寛次郎の初期活動と支援者について

    • 著者名/発表者名
      三上美和
    • 学会等名
      東洋陶磁学会平成26年度第2回研究会
    • 発表場所
      五島美術館(東京都世田谷区)

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公開日: 2015-05-28  

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