研究課題/領域番号 |
24520134
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山本 建郎 秋田大学, その他部局等, 名誉教授 (30006572)
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研究分担者 |
高木 酉子 朝日大学, 歯学部, その他 (20624399)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 基本文献の意見交換 / 現地の古典的民族音楽の採集 |
研究概要 |
本研究は、その順序として、ボエティウス『音楽論』の素材をなすヘレニズム・ローマ期の音楽論に関するギリシア語文献の解読から始まる。本年度は、その最初の行程として、アリステイデス『音楽論』全三巻の訳注つくりに専念した。これは先年度の科研費研究の補助テーマでもあったものであるが、それを今回は前面に据えて考究した。本著作の試訳は前回までの成果としてほぼ完成していたものであるが、今回それを全面的に中心主題として取り上げて、綿密な訳注としてほぼ完成した。これは次年度早期に中間報告として文書にまとめる所存である。 ボエティウス『音楽論』全五巻の検討については、試訳を担当した高木はほぼ第一巻を訳了し、予定通りの進行状況となっている。突き合せの会合は特に持たなかったが、連絡はメイル交換以外にも会等で会った時に随時なされ、連携作業は着実に進んでいる。 本年度は、具体的な成果としては際立ったものは見られなかったが、長期にわたる共同研究の礎つくりとして、大きな成果があったと確信する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の概要に記したように、研究遂行の基盤は確定した。今年度は特に目立った具体的な成果は見られなかったかもしれないが、それは初めから予測されたとおりである。むしろ、基盤となる研究状況が確定したことの意味の方が大きい。
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今後の研究の推進方策 |
初めに予測した通り、ヘレニズム・ローマ期の二コマコスやクレイネイデース等の音楽論のテキストの翻訳と分析に先念する。もちろん、ボエティウスに関しては、分担者の手を借りて、試訳の試みを続行してゆく。突き合わせは、さらに頻繁に行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究の側面的な必須事項として、ギリシア本土における現代に残る古典的な旋律の採集がある。次年度とさらにその次の年度はそちらの方にも手を伸ばす。外国の研究者との意見交換も必須である。研究費の次年度送りに期したのは、そのためである。
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