研究課題/領域番号 |
24520137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
内藤 定壽 筑波大学, 芸術系, 教授 (80261791)
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研究分担者 |
仏山 輝美 筑波大学, 芸術系, 准教授 (70315274)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 絵画技法専門用語 / イタリア / 国際情報交換 |
研究概要 |
現在の絵画技法に関する専門用語には、あるひとつの内容に関して複数の用語が存在すると同時に、それらの用語それぞれについてもさまざまな解釈が存在している。このような混乱した状況を踏まえ、①歴史的な絵画技法の意味を正しく理解するために、専門用語の本来の意味を明らかにすること、その一方で②国内外での混乱した実態を真摯に見つめ、混乱した状況と変化した用語の意味を正確に把握すること、このふたつが研究の全体構想である。研究構想全体の中で、本研究は西洋における絵画の「下地」にかかわる専門用語を研究対象とするものであり、平成 24 年度から 26 年度の 3 年間で、西洋における下地に関わる専門用語の意味と使用方法について、文献調査及び聞き取りによる実地調査を行う。その上で平成27年度に研究報告を行う。 平成24年度においては、スペインにおける文献調査及び聞き取りによる実地調査が最大の成果であった。スペインではサラマンカ大学美術学部 Manuel Luca de Tena教授、バルセロナ大学ではDr. Rosa Codina Esteve教授に聞き取り調査を行うことができた。いうまでもなく両者は、スペイン語圏とカタルニア語圏の最高学府のひとつであり、当該大学において使用する専門用語を調査できたことは、スペイン国内における専門用語のスタンダードな使用状況を知ることができたと想定され、極めて大きな成果であると考えている。また、数多くの技法書を入手し、大量の技法に関わる写真を撮影し、さらにスペインとフランスの老舗画材店を訪問し、日本では入手が困難な様々な西洋画の技法材料を、直接確認しながら入手できたことは、専門用語が示す意味、内容を明らかにする上で極めて大きい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要の通り、平成 24 年度から 26 年度の 3 年間で、西洋における下地に関わる専門用語の意味と使用方法について、文献調査及び聞き取りによる実地調査を行い、その上で平成27年度に研究報告を行う計画である。 平成24年度にはスペインにおける研究調査を実施し、1年度分の研究を確実に遂行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成 24 年度から 26 年度の 3 年間で、西洋における専門用語の意味と使用方法について、文献調査及び聞き取りによる実地調査を行い、最終年度である平成 27 年度に、データを集約し研究報告書を作成し、調査結果を研究者、研究期間に向け広く公開する。 申請時には、平成24年度にイタリアにおける調査研究、平成25年度にスペインにおける調査研究を行う予定であったが、平成24年度にスペインサラマンカ大学からの留学生を受け入れたことにより、これを研究上の好機ととらえ、平成24年度にスペイン、平成25年度にイタリアに変更した。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ整理を次年度以降に行うこととし、そのための出費を次年度以降に繰り越した。繰り越し分は、平成24年度のスペインにおける調査研究に関わるデータ、下記平成25年度のイタリアにおける調査研究に関わるデータの整理に用いる予定である。 次年度は、イタリア共和国における専門用語の意味と使用方法について、文献調査及び聞き取りによる実地調査を主に行う。研究費はそのための旅費、研究協力者旅費、文献購入、文献に書かれている技法材料の購入と実験、通訳謝金、データ整理に使用する予定である。
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