研究概要 |
本研究は,地域の文化活動(地域の創造的,精神文化からの発露が大きい)と地域の経済活動との関係を地域活性化という観点から想起し,文化面から見た地域活性化の可能性を探り,地域政策の提言を行うものである.全国における文化・民俗等の文化資源(活動)を把握し,それが経済的な観点から活性化に繋がっている地域やこれからの可能性がある地域等に着目し,地域に息づく古来の歴史・文化・民俗,さらには新規な創造行為として精神活動の発露である文化活動を発見し,それが当該地域での経済的な活性化につながるとの仮説を検証することである.そのため調査の手始めとして調査内容と作業方針の確定を行った. I.全国の歴史・文化を活かした地域づくりの現状に関する調査 [1]歴史・文化資源(活動)及び経済活動指標の収集・整理◎既往資料等を用いて,全国各地域の文化資源(活動)及び職業等社会構造,経済状況の収集・整理を行った. [2]地域の精神文化を伝える文化資源(活動)の抽出・整理及び経済活動指標の整理◎上記の文化資源(活動)から地域の精神文化を伝える事業内容等を抽出する作業を行った. 地方公共団体における地域の精神文化の現状に関するアンケート調査(上記[2]で補足できなかった事例について,都道府県レベルで実施している,もしくは把握している地域の歴史・文化を活用した地域づくりの取組み実態(地域の文化資源(活動)を活かした地域づくりへの取組み実態)を把握するために,各都道府県の以下の担当部署へ,電子メールを用いたアンケート調査を行った.回答されたデータを集計し,全国的に見た取組みの実態把とともに,[1]の文化資源(活動)の分類における分類検討及び職業・経済状況のデータ分類に用いた.以上の作業は,次年度以下進める全国的な実態調査の実施にとって,プレ調査となる重要性があり,上記の結果からも予想していた以上の対象文化活動が認められる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では,都道府県レベルで実施している,もしくは把握している地域の歴史・文化を活用した地域づくりの取組み実態(地域の文化資源(活動)を活かした地域づくりへの取組み実態)を把握するために,各都道府県の以下の担当部署へ,電子メールを用いたアンケート調査を行うことにあった.相当多くのメールが寄せられ,そのまとめと分析に予想外の作業時間がかかった. 作業日程として,不十分な都道府県アンケート結果については,再度聞き直しを行うはずであった.しかし,上記のようにその1回めの調査作業時間がかかり,見直し作業が遅延している.しかしながら,予想外の対象文化事業が挙がってきてことで,逆に次年度以降の本格的文化事業内容調査に期待が持てる.
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今後の研究の推進方策 |
25年度以降は,地域の精神文化の具体的な展開方策の検討調査を行う. そのため,歴史・文化・民俗資源の整理と地域固有の精神文化の発掘並びに経済活動の状況の分析とそれぞれのモデル地域で受け継がれてきた文化資源(活動)を抽出し,整理を行う.発掘した文化資源(活動)を通じて,地域固有の精神文化を発掘する.職種・経済活動状況について,上記の精神文化に基づく文化活動との関連整理を行う. (作業方針) ①モデル地域の抽出地域の精神文化をもとにした文化活動の具体的な展開を検討する地域として,全国7地域を対象とする.②地域の歴史・文化・民俗資源の整理抽出した地域ごとに,現地調査やヒアリング,既往資料等により,文化資源(活動)及び職種・経済活動指標を整理する.③地域の精神文化の発掘と経済活動との関連検討発掘した歴史・文化・民俗資源を通じて,その地域に根付く精神文化を発掘する.さらに,その精神文化と地域の経済活動(発展の過程や進捗状況)との連関を検討する.
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