戦後東西両ドイツにおいて、アメリカ合衆国発の運動の影響下に発生・発展したフォークリバイバル運動について、フォークフェスティバルの役割や、東ドイツのフォークリバイバル運動ならびにポピュラー音楽全般の西欧諸国との意外に太い繋がりを、資料調査ならびに関係者のインタビューを通じて明らかにすることができた。さらに、伝統音楽復興運動としてのフォークリバイバルとの関わりで、贖罪の意味を込めて東方ユダヤ人の言語イディッシュ語による民謡をうたったドイツ人歌手の活動、その意義と困難について、あるいは、オーストリアにおける民族的マイノリティ・ロマの音楽活動について、事例とその意味を考察した。
|