研究課題/領域番号 |
24520178
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研究機関 | 文化学園大学 |
研究代表者 |
長沢 幸子 文化学園大学, 服装学部, 教授 (20261092)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ファッションイラストレーション / ファッションデザイン画 / スタイル画 / ファッションドローイング / モードドローイング / アート / サブカルチャー / クールジャパン |
研究実績の概要 |
ファッションイラストレーションの領域を俯瞰しつつ、描き手に内在するファッションイメージをより表現しやすい描法の開発を行っている。水墨画描法を取り入れたファッションイラストレーション提案新描法を「ファッションイラストレーションにおけるスーパーグラデーション描法」と命名している。前年度に行った主観評価実験の結果を踏まえ、本年度はこの提案新描法の各技法を用いた作例試作を中心に検討を行った。主観評価実験の結果では、「水墨画(提案方式)」において淡墨と濃墨へ移行すると、印象が「熟練」「重硬」へと変化した。また「水墨画(提案方式)」において「陰影有」から「陰影無」へ移行すると、「淡墨」では「顕著に軽柔」、「濃墨」では「顕著に重硬」「非凡」へと変化した。「水彩画(従来方式)」に比較し「水墨画(提案方式)」は現実離れした軽柔または重硬な印象の表現に適することが定量的に明らかになった。本年度はこの結果を活用した作例を多数試作した。作例試作を経てコンピュータ・グラフィックスへ展開し、提案新描法による作品制作を行った。その一部はフィールドワークとして、所属する大学の教員研究作品展に出品し作品制作発表を行った。また高等学校用教科書の表紙の制作依頼を受け、この描法を応用した抽象形のイラストレーションを作画し、表紙のデザインに用いた。 また、本年度末に油彩等の絵画作品の調査を行った。翌年度中に結果を取りまとめ、最終年度までに報告予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は論文と作品の両輪により構成されている。前年度は博士論文をまとめるなど論文寄りの仕事を主に進めたので、本年度は作例を多数制作し作品制作寄りの仕事を主に進めた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでにまとめた内容を踏まえ、新たな調査結果および制作した作例などを取りまとめ、学会などにおいて研究成果を発表してゆく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度(博士論文をまとめる為にデスクワークという研究活動が主となり使用額がやや減少した)の繰り越し額を、本年度もほぼ繰り越した為。本来、本年度に使用予定であった額は順調に使用し研究を進めた。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越し額は翌年度および最終年度の研究成果発表費等に使用する予定である。
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