研究課題/領域番号 |
24520180
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 武蔵野美術大学 |
研究代表者 |
白石 美雪 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (60298023)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 音楽 / アメリカ / ジョン・ケージ / ジャポニズム / オリエンタリズム / 前衛芸術 / 芸術史 |
研究概要 |
第1年度は「ケージ史料の把握と批評および記事調査」、すなわち4年にわたる研究の初年度として、研究対象のケージ批評および記事、ケージ史料に関する所在と実態を把握するため、全体的な調査を行う計画であり、この計画通りに実施した。計画の実施にあたっては、連携研究者である今岡謙太郎(武蔵野美術大学)と高橋陽一(武蔵野美術大学)との研究会を行った。 (1)アメリカと日本におけるケージを対象とする批評および記事の把握 日米の音楽雑誌と一般の新聞や雑誌におけるジョン・ケージに関する批評および記事を網羅的に調査し、翌年度までの2年間で「ジョン・ケージ批評記事データベース」を作成するべく、『朝日新聞』『読売新聞』『毎日新聞』などの主要新聞の記事データを調査した。 (2)アメリカのジョン・ケージ原稿・草稿等の所在調査 すでに実施したNew York Public Libraryのジョン・ケージの原稿類を調査に加えて、ロサンジェルスのGetty Research Instituteへの訪問調査を実施することができた。これによりケージの自筆譜や書簡を含むデヴィッド・テュードア文書など、貴重な資料を確認することができた。 研究成果の発表としては、オリエンタリズムとジャポニズムを象徴するジョン・ケージ作品「ミュージサーカス」(2012年8月26日、サントリー芸術財団主催・サントリーホール)の芸術監督として企画を行った。また『ユリイカ』2012年10月号、『音楽現代』第12巻第11号、『アルテス』Vol.04, 2013SPRINGにジョン・ケージに関する論文を発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
国内の新聞調査、国外の資料調査ともに計画通りに進行するとともに、当初は予定していなかった音楽雑誌等に3件のジョン・ケージに関する研究成果の公表を行うことができた。また、ジャポニズムとオリエンタリズムのテーマと直結するジョン・ケージの作品「ミュージサーカス」を2012年8月に実演するための企画を行ったことも、予定外の成果である。
|
今後の研究の推進方策 |
第2年度は「ケージの言説と批評分析」をテーマとして、次の課題に取り組む。 (1)アメリカと日本におけるケージを対象とする批評および記事の把握のための新聞記事調査を継続して「ジョン・ケージ批評記事データベース」を補筆して完成させる。 (2)オリエンタリズムとジャポニズムに注目した言説分析(アメリカの批評)及びオリエンタリズムとジャポニズムに注目したケージの草稿分析をおこなう。このため、シカゴ等に保管されているジョン・ケージ資料の訪問調査を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
記事調査及び成果発表のための作業費用と、海外資料調査(シカゴ)の旅費をはじめとした課題を中心に使用する。
|