日本ではオペラ(そしてヴェルディ)研究の立ち遅れが目立つ。本研究者はその現状を踏まえ、前回の科研費で開始した「ドイツとイタリアの関係性」の視点によるヴェルディ研究を発展させるものとして本研究を位置づけ、ドイツにおける受容に焦点を絞りつつ、ヴェルディ・オペラの解明を試みた。そのために海外に出張して研究者との交流や資料収集を行うなどして、資料の解読とデータベース化に努めた。その結果、ヴェルディ・オペラの、独・伊の文化的文脈に沿った受容の違いを分析し、その洞察を深めることができた。成果の一部は学会での発表や紀要で公表し、当初予定した本研究テーマによる出版物の刊行へとつながる基盤が形成された。
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