研究課題/領域番号 |
24520187
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研究機関 | 洗足学園音楽大学 |
研究代表者 |
大類 朋美 洗足学園音楽大学, 音楽学部, 講師 (80587999)
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キーワード | ティーチング・アーティスト / アートエデュケーション / インターアクティブ・パフォーアンス / アウトリーチリーチ / 即興演奏 / レジデンシー活動 / 作曲/演奏 / コミュニケーション |
研究概要 |
前年度は小学校でのアウトリーチの他、活動領域を拡大して、多様な対象者の要望に応じたプログラムづくりを行なった。具体的には、1. 障害者施設を訪問して 利用者の方の参加型コンサートを実施。 2. 障害者やご家族や関係者向けのコンサートをホールを借りて実施 。3. 小学校で行なった出前授業と連携した一般の方対象のコンサート「こどもと聴こう 20世紀音楽」をホールにて実施。子供にも大人にも新しい発見があるよう、創意工夫したプログラムをつくった。活動内容は、聴いていただく方々にとって、わかりやすく楽しめることに最大限の気を配り、映像や物語を取り入れたり、音楽のしくみをわかりやすく説明し、聴衆とのコミュニケーションを大切にする演奏会を実施するように心掛けた。今年度は、手作りの樹脂粘土で製作したクレイアートを映像化し、音楽と一緒に観てもらったり、子供達に音楽が触発するイメージを絵にして描いてもらったり、視覚的なものを多く取り入れた。また、音楽が個々の生活の中で、聴くものの感情に直結していることを示すために、演奏者の実体験に基づくストーリを、音楽にあてはめた画像にした。音楽をより身近に感じられるような効果をねらった。 今後は、このような実生活に結びついたアクティビティを更に発展させて、演奏家の実体験の他、聴いている人の経験と音楽が関連していることを実際の音として、具現するようなプログラムをつくっていきたい。そのためには、演奏家がその経験を音にすることができる即興の技術が必要だと感じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の収穫の中でも大きかったことは、3つ。 1. アウトリーチの領域を拡大できたこと。 2.出前演奏会と、ホールにてのコンサートを結びつけた活動にできたこと。 3. クラシック音楽家にとっての即興演奏について、有識者と接点をつくることができ、今後のアウトリーチ活動に活かしてく道筋ができたこと。(11月にRoyal Conservatoire The Hague にて行なわれたEuropean Impro Intensive 2013 に参加することができたこと。)
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、前年度までの活動領域に加えて、美術館/博物館の催し物に応じたプログラムづくりや、ホスピスでのコンサート、小中学校の外国語学習と連携した授業、養護施設、障がい者支援施設において、利用者の参加型コンサートなどの開発に取り組みたいと考えている。 そのためにも、即興演奏の技能を引き続き高めていけるような研究を続け、研究の集大成をまとめる論文を来年度までに執筆したり、ホームページをつくって活動報告を広く発信していけるようにしたいと計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、物品費やピアノの調律費(その他)で生じた出費が予定額を上回ってしまった。スタジオのピアノは練習やリハーサルとして使用する頻度が多く、消耗が激しかったため、前年度はメインテナンス費が通常より多くかかった。今年度も物品費を減らすことは難しいと考えるので、事項目にて対処方法を述べる。 楽譜代や文具や必要機材を削減していくことは難しいが、今年度は演奏者の理解を得て、小学校で行なう出前演奏授業で発生した謝金(人件費)をカットしていく方針である。その分を物品費やその他の経費にあてようと考えている。
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