平成27年度は、これまでに収集した文献資料および映像資料の整理・検討を中心におこなうとともに、不足分の調査研究もおこなった。内容としては、とりわけ、新しい唯物論やイメージ人類学の成果を整理し、今日の映像表現をめぐる考察に活用する方向性を探ることが主たるトピックとなった。また、欧米だけでなく、日本を含めたアジア諸国の映像文化を視野に収めるパースペクティブが探られた。 成果の一部は、文字媒体での発表として、新しい唯物論と映像メディアとの関係について、対談形式において、1)アレクサンダー・ザルテン氏(ハーバード大学)と「兆候としてのモノ」を、2)また檜垣立哉氏(大阪大学)と「ポスト現代思想としての京都学派」を、雑誌「現代思想」においてそれぞれ2015年6月号と2016年1月号において発表した。 口頭発表としては、2015年6月6日には、ロンドン大学バークベックカレッジにおいて口頭発表、2015年11月12日に台湾交通大学において招聘講演、さらに、2016年2月23日南カリフォルニア大学において招聘講演をおこなった。
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