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2014 年度 実績報告書

厚生芸術の基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520199
研究機関栃木県立美術館

研究代表者

山本 和弘  栃木県立美術館, その他部局等, その他 (30360473)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード厚生芸術 / 少子高齢化 / 文化政策 / 芸術経済学 / 実践美学 / 創造性 / 医療福祉 / 地方創生
研究実績の概要

本年度は少子高齢社会からの大きな要請を踏まえ、「芸術家の労働市場」という大テーマを、1)芸術と医療の融合による需要創出の具体的調査、2)現代美術以降の芸術としてのアール・ブリュットの研究、3)芸術家の雇用と搾取の経済学的分析を集中的に調査・検討した。
1)芸術と医療の融合による需要創出は、歴史的には未開の新たな分野であり、アーティスト・ドクターの事例は数件しか確認できないが、アール・ブリュット研究の高まりとともに芸術の有用性が発揮される隣接領域としての意義を確認した。現代美術の後にきたるべきものは多摩美術大学教授の椹木野衣が「後美術論」研究と仮定したが、同「アウトサイダー・アート入門」の出版によって1)「芸術と医療」の融合と2)アール・ブリュットの流行が同根であることが証明された.そのことによって眠っている私たちの創造性を21世紀の社会において狭義の美術を超えた、より社会化された創造性となることが証明され、私たち誰もがもつ創造性の発揮を促進する厚生芸術の意義も確認した。
3)芸術家の雇用と搾取の経済学的分析は「アーティストのサバイバル第一回実態調査2014」で明らかにした。【調査概要調査概要】:調査対象;日本在住アーティスト、一部海外在住/調査時期;2014.5,22-6.30/回収サンプル数;727/調査方法;インターネットによる調査の配布と回収。この調査結果より厚生芸術の初動舞台である芸術系大学のでの教育内容と学生が求める教育内容のギャップを数量データで明らかにした。二世紀前の芸術アカデミーの残滓のような教育を行い若い豊かな創造性を無為に硬冷化(高齢化でもある)している現在の芸術教育の原因をも明らかにし、また社会に益する芸術とアーティストを生み出す具体的提言を獲得した。。以上より、厚生芸術の基礎研究はすべての人々の厚生を向上させる創造的資本論と同義であることが確認された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 世界批評としてのSIAF20142015

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 雑誌名

      札幌国際現代芸術祭2014開催報告書

      巻: 1 ページ: 57

  • [雑誌論文] アール・ブリュットについて2015

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 雑誌名

      アール・ブリュット作品の普及・展示活動に関する調査報告書

      巻: 1 ページ: 66-67

  • [雑誌論文] 厚生芸術入門2014

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 雑誌名

      アートマネジメント

      巻: 第15号 ページ: 4/15

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 人間と機械とのしなやかな関係について2014

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 雑誌名

      「タムラサトル展」カタログ

      巻: 1 ページ: 8-19

  • [学会発表] アンゼルム・キーファー2015

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 学会等名
      ツェランとキーファー研究会
    • 発表場所
      東京ドイツ文化センター
    • 年月日
      2015-03-23
    • 招待講演
  • [学会発表] ハンス・プリンツホルン『精神病患者の造形』の基本構造2015

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 学会等名
      「日本のアール・ブリュット現状と展望」研究会
    • 発表場所
      滋賀県立近代美術館
    • 年月日
      2015-03-15
    • 招待講演
  • [学会発表] アーティストのサバイバル 第一回実態調査2015

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 学会等名
      生活者としてのアーティスト研究会
    • 発表場所
      東京都現代美術館
    • 年月日
      2015-02-21 – 2015-02-22
    • 招待講演
  • [学会発表] アーティストのサバイバル2015

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 学会等名
      geidaiRAM(リサーチに基づくアートマネジメント)
    • 発表場所
      東京芸術大学
    • 年月日
      2015-01-21
    • 招待講演
  • [学会発表] ヨーゼフ・ボイスの原点2014

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 学会等名
      カスヤの森現代美術館
    • 発表場所
      カスヤの森現代美術館
    • 年月日
      2014-10-12
    • 招待講演
  • [図書] アーティストのサバイバル 第一回実態調査2015

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 総ページ数
      20
    • 出版者
      科学研究費報告書
  • [図書] タムラサトル展2015

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 総ページ数
      80
    • 出版者
      栃木県立美術館

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公開日: 2016-06-01  

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