中国白話小説の受容に多大な貢献を果たした支那愛好者の文化受容の研究の一環として、先行研究で「謎の男(三石善吉「後藤朝太郎と井上紅梅」)」と称されていた井上紅梅の受容活動の全貌を把握するため、日本各地に散在している井上紅梅に関する著述の収集を行った。彼の著述活動の大半は上海・南京・蘇州という当時で言うところの「外地」で行われたこと。一部の活動は戦中期に重複しているため、保存状況は劣悪でしかも少数の記録しか残されていなかった。そのため資料収集を実施し、特に神戸大学や国会図書館(東京本館・関西館)などでは従来誰もその存在を知らなかった井上紅梅に関する著作や記録を発見することが出来た。
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