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2014 年度 実績報告書

『台湾愛国婦人』の資料的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520217
研究機関広島大学

研究代表者

樫原 修  広島大学, 総合科学研究科, 教授 (50132064)

研究分担者 下岡 友加  県立広島大学, 人間文化学部, 准教授 (30548813)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード台湾愛国婦人
研究実績の概要

『台湾愛国婦人』は、資料的に重要な雑誌であるにもかかわらず、かなりの部分が失われており、本研究の申請時に所在が確認できたのは全88巻のうち半数に満たない状態であった。そこで、本研究ではまず新たな資料を発掘・収拾し、雑誌の全体像をより明確にすることを第一の目的とした。実は、本研究の申請時から開始時までの間に、本研究の研究分担者である下岡友加が函館市中央図書館に29冊所蔵されていることを発見し、うち13冊分の目次を雑誌で報告している(『近代文学試論』49号)。これ自体は期間外の業績であり本研究の実績にはカウント出来ないが、こうした成果を踏まえてさらに欠落部分を埋めて行こうと努めた。その結果であるが、完本として見つかったのは、財団法人半線文教基金会台湾文化資料館から国史館台湾文献館に寄託されている第61巻のみであった(これについても下岡が雑誌に報告している)。この他、台湾在住の陳慶芳氏が第63巻を所蔵していることを確認したが、これは他の館でも所蔵されており、すでに報告もなされているものであった。この他には断片的な資料にしか出会えなかったが、現段階で可能な調査は尽くしたと考える。
次に内容的検討であるが、下岡は第61巻所載の与謝野晶子の詩「酒場の一夜」を紹介し、これが単行本『夏から秋へ』で初出誌不明とされていた詩3編のうちの1編であることを示すとともに、他の2編も未発見の『台湾愛国婦人』に掲載されていた可能性を指摘した。また、押川春浪の掲載作3点の分析も行い、これらが従来知られていなかった作品であることを示すとともに、「蕃社の悲劇」といった作品が台湾在住の後続にも影響を与えて、台湾をよく知る者自身に台湾の文学表象をなさしめる契機になったことを指摘した。このように、本誌の歴史的、文学史的重要性の一端を明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 押川春浪と『台湾愛国婦人』-掲載小説の検討を中心に-2015

    • 著者名/発表者名
      下岡友加
    • 雑誌名

      平成26年度國學院大學文学部共同研究報告書『『台湾愛国婦人』の研究』

      巻: なし ページ: 403-417

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 戦後台湾の日本語作家の声 黄霊芝氏インタヴュー(3)2015

    • 著者名/発表者名
      下岡友加
    • 雑誌名

      県立広島大学人間文化学部紀要

      巻: 10 ページ: 68-80

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本語は誰のものか?-ポストコロニアル台湾の日本語作家・黄霊芝の方法-2014

    • 著者名/発表者名
      下岡友加
    • 雑誌名

      フェンスレス

      巻: 2 ページ: 77-89

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 押川春浪と雑誌『台湾愛国婦人』2014

    • 著者名/発表者名
      下岡友加
    • 学会等名
      台湾史研究会定例研究会
    • 発表場所
      関西大学
    • 年月日
      2014-10-25

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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