研究課題/領域番号 |
24520224
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
久堀 裕朗 大阪市立大学, 文学研究科, 准教授 (50335402)
|
キーワード | 人形浄瑠璃 / 淡路座 / 淡路人形芝居 / 近世演劇 / 文楽 |
研究概要 |
研究実施計画に記した通り、「I.淡路座旧蔵浄瑠璃本の調査・分析」「II.淡路座興行記録(番付・古文書・チラシ・ポスター・新聞記事等)の調査・分析」「III.淡路座上演記録資料(文字資料以外)の調査・分析」を並行して進めた。 Iについては、南あわじ市淡路人形浄瑠璃資料館、兵庫県立歴史博物館の浄瑠璃本調査を行い、特に『仮名手本忠臣蔵』床本の本文を調査し、三・五・十一段目に関する淡路座独自の演出について考察を加えた。 IIについては、これまでに収集した記録のデータベース化を進めたほか、淡路人形浄瑠璃資料館蔵のチラシ・ポスター類の情報を整理した。 IIIについては、昨年度に引き続き淡路人形浄瑠璃資料館所蔵の宗虎亮氏撮影写真のネガをデジタル化して、昭和三十、四十年代の写真資料を確認し、資料として活用した。また淡路(阿波)人形芝居の記録映画4本(NHK「淡路の人形芝居」、読売映画社「淡路の人形浄瑠璃」、毎日映画社「阿波の木偶」、岩波映画「阿波の人形浄瑠璃」)を調査し、そこに記録される上演映像(『玉藻前曦袂』道春館の段、『絵本太功記』尼ヶ崎の段、『一谷嫩軍記』熊谷陣屋の段、『祇園祭礼信仰記』是斎住家の段)から淡路座の演出を確認した。 以上とともに、作品復活に関する取り組みとして、『仮名手本忠臣蔵』殿中刃傷の段の復活公演(文化庁「文化遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」により財団法人淡路人形協会が平成26年2月15日実施。淡路人形座)に協力し、その上演台本と演出プランの作成を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究目的」に掲げた目的に照らし、「研究実施計画」に記した事項をおおむね予定通りに実施している。 「研究実施計画」記載のI・II・IIIに分けると、Iは順調に浄瑠璃本調査と作品分析を進めたので予定通り、IIは新たな資料調査を一部次年度送りとしたのでやや不十分、IIIは写真資料・映像資料の整理を予定以上にこなしたという結果であった。また復活上演に関する取り組みも予定通り行ったので、全体としては「おおむね順調」と評価できる。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画の通り、平成26年度も「I.淡路座旧蔵浄瑠璃本の調査・分析」「II.淡路座興行記録(番付・古文書・チラシ・ポスター・新聞記事等)の調査・分析」「III.淡路座上演記録資料(文字資料以外)の調査・分析」を並行して進める予定である。 予定通り進められている事項(I・III)については、当初計画に基づき調査を続行するつもりである。そしてやや遅れていたIIの資料調査は、26年度前半に集中的に取り組み、その上で、本年度は最終年度なので、全体の研究をとりまとめていきたいと考えている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
資料調査を一部次年度送りとしたので、それに必要な金額を残した。26年度前期に勤務先でサバティカル期間を取得したので、その期間に集中して資料調査を行おうと考えたからである。 残した額は、資料調査のための旅費、及び調査に関わる諸費用に充てるつもりである。
|