研究課題/領域番号 |
24520232
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
武藤 純子 清泉女子大学, 文学部, 非常勤講師 (50424304)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 浮世絵 / 役者絵 / 歌舞伎 / せりふ正本 / 長ぜりふ / データベース |
研究概要 |
本研究の目的は、浮世絵版画が有するさまざまな属性情報を学術的・総合的に研究しデータベース化することである。 4月以降、国内外の図録等から浮世絵図版や挿絵を選定して、属性情報として整理可能な項目を抽出した。夏期長期休暇中、アメリカのボストン美術館に長期滞在し、浮世絵および版本を閲覧し、作品の状態を確認するとともに写真撮影を行い、研究を重ねた。また、京都の立命館大学アート・リサーチセンターにも赴き、浮世絵および版本を閲覧研究した。 入手した画像情報は、同時代の文芸資料等との確認作業を行った上で、データベースに格納できる情報に整理しなおし、年代、演目、役者、役名、版元等一つ一つ入力していった。さらに属性情報の充実ということで、役者絵の背景に掲載されているせりふに注目し、そも文言とせりふ正本との比較を行い、役者絵がもつ属性の有効性を明らかにしていった。長ぜりふについての研究成果は、国文学の研究会で口頭発表するとともに、(刊行はまだされていないが、)研究論文としてもまとめた。 充実した属性情報のデータベース化はまだこれからであるが、せりふという一つの属性については、明らかになりつつある。今後は固定した単なる画像だけでなく、必要に応じて再抽出可能な画像におきかえられるようなシステムの構築も考えてみたい。研究成果は研究者個人の論文として完結するだけでなく、広く情報を共有し、他者との情報交換、他者による更なる研究の進展が重要であると考えるので、2年後のデータベース公開を目指し、次年度以降も研究を継続する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
属性情報の一つである役者絵に掲載されているせりふについては、データが揃うとともに、研究論文としてもまとまりつつあるので、おおむね順調な進展と考える。
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今後の研究の推進方策 |
浮世絵は国内よりも海外に多く所蔵されているので、今後も海外の浮世絵調査に時間と精力を注ぐとともに、収集したデータの解析、データベースへの格納、充実を進めていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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