研究課題/領域番号 |
24520232
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
武藤 純子 清泉女子大学, 文学部, その他 (50424304)
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キーワード | 浮世絵 / 初期浮世絵 / 役者絵 / 歌舞伎 / 役者絵データベース / 属性情報 / 鳥居 / 奥村 |
研究概要 |
本研究は、浮世絵版画が有するさまざまな属性情報を学術的・総合的に研究し、データベース化することである。本年度の主な研究実績は、海外の浮世絵調査、論文の発表、データベースの公開の三点である。 まず準備段階として、4月以降、書籍・物品の購入をするとともに、図録等から浮世絵図版の選定をして、同時代の文芸資料等と確認作業を行った。その上で、データベースに格納できる情報に整理しなおし、一項目ずつ入力していった。 夏期と春期の長期休暇中、アメリカ・シカゴに二度赴き、美術館と近郊在住の個人コレクター・ジョージ・マーン氏の浮世絵調査を果たした。シカゴ美術館では浮世絵版画と版本の閲覧、マーン氏宅では浮世絵版画の閲覧および写真撮影が許された。これによって新たなデータ収集と、研究者との情報交換がかなった。これが一つめの実績である。 二つめは、論文「江戸の長ぜりふ―享保期の役者絵とせりふ正本に注目して― 」(『図説江戸の〈表現〉―浮世絵・文学・芸能―』所収、八木書店)を発表したことである。役者絵と関連するせりふ正本を照合して、浮世絵が有する属性情報の一つである長ぜりふの特色を明らかにした。 三つめは、まだ構築途中ではあるが、「初期浮世絵データベース」(http://drmutojun.art.coocan.jp/)の項目を増築して公開した。検索可能な項目は随時更新中である。研究成果は論文として発表するだけでなく、他者と共有したり、他者の研究の一助となることが重要と考える。今後もデータベースの拡充拡大を目指したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「浮世絵の属性情報のデータベース化」という研究テーマにそって、浮世絵調査、属性情報の整理、論文の執筆、データベースの公開と、おおむね研究は順調に進展している。次年度はデータベースの完成を目指して進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
浮世絵は国内よりも海外に多く所蔵されているので、次年度も海外の浮世絵調査を積極的に進めるとともに、多くの研究者の一助となるようなデータベースの拡充・拡大・改良を進めていきたい。
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