2014年8月、私たちは韓国の研究者とともに『検閲の帝国──文化の統制と再生産』(新曜社)と題した大部の論文集を完成させた。このなかで日本とその植民地であった朝鮮半島の検閲体制の差異、日本における敗戦と連合軍の占領下、またサンフランシスコ講和条約以降の歴史的変化を追究し、相互に関係し、補完し合っていることを明らかにした。2016年2月、ハングル版「検閲の帝国」を韓国で刊行。これを記念して、3月26日にソウルで編者5名および韓国側の執筆者、翻訳者、大学院生たちを前に講演を行い、質疑を交わした。「ハンギョレ新聞」や「京郷新聞」など韓国の新聞各紙で大きく書評にとりあげられるなど大きな反響があった。
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