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2015 年度 実施状況報告書

東アジアの笑話と日本文学・日本語との関連に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520244
研究機関豊橋創造大学

研究代表者

島田 大助  豊橋創造大学, 経営学部, 教授 (50351177)

研究分担者 川上 陽介  富山県立大学, 工学部, 准教授 (00574451)
荒尾 禎秀  清泉女子大学, 付置研究所, 客員所員 (20014813)
佐伯 孝弘  清泉女子大学, 文学部, 教授 (40255956)
山口 満  豊橋創造大学, 経営学部, 准教授 (60413762)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワード日本笑話 / 中国笑話 / 朝鮮笑話 / 漢字・傍訓
研究実績の概要

平成27年度は、①『訳解笑林広記』Web公開用データの作成、②『訳解笑林広記』の異体字の調査、③『訳解笑林広記』の注釈・分析、④日本、中国、韓国笑話の比較分析、⑤『絶纓三笑』『笑林広記鈔』の諸本調査及び書誌情報の整理を行った。
①については、『訳解笑林広記』の電子データ化を、傍訓を除きほぼ終了した。②については、荒尾禎秀、川上陽介、島田大助により研究を行った。従来国字とされてきた文字が、『新鐫笑林広記』所収の咄にあることを確認し、清代成立の中国文献を調査することの必要性を指摘した。このことについては、島田が東海近世文学会で発表した(『西鶴諸国はなし』巻四の七「鯉のちらし紋」試論 付 異体字と国字)。荒尾は、『狂詩礎』に使用される漢字表記に注目し、異体字の調査・研究を行った。研究成果は、「狂詩の漢字語 ―生酔狂者輯『狂詩礎』の場合―」(『日本近代語研究 第6集』)にて、発表の予定である。③については、川上陽介によって研究が行われた。66番の咄まで注釈・分析を終了し、1~15番の咄については、「『訳解笑林広記』全注釈(一)」として『富山県立大学紀要』第26巻に発表した。④については琴榮辰によって研究が行われた。朝鮮笑話、中国笑話、日本笑話に描かれる動物の取り合わせに、3国特有の組み合わせがあることを明らかにした。研究成果は、「A Comparative Study on the Symbolism of the Combination of Animals One Another in East Asian Comedic Stories and Proverbs」(『比較文化研究』慶熙大学比較文化研究所)に発表した。⑤については、新たに『笑林広記鈔』入手した。同書が、これまで報告がなされている書籍と同版であることを確認した。
平成27年度は、以上の研究を行った。注釈作業は時間を必要とする。今後も作業を継続していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成27年度は、①『訳解笑林広記』Web公開用データの作成、②『訳解笑林広記』の異体字の調査、③『訳解笑林広記』の注釈・分析、④日本、中国、韓国笑話の比較分析、⑤『笑林広記鈔』の諸本調査及び書誌情報の整理を行った。
『訳解笑林広記』の電子データ化については、本文データの作成はほぼ終えた。ただし、前年度に引き続き左右に付される傍訓の処理を検討中である。作業は当初予定したものより遅れている。異体字調査は、狂詩に使用される語についての研究も含め、研究を行っている。研究対象が広がったため、若干の遅れはあるものの、研究の妥当性を高めるためには必要な措置だと考える。翻刻・注釈の作業は、時間がかかる。適切な結果が出せるよう、今後も進めていく。東アジア文化圏での笑話研究は、今後も、大韓民国在住の琴榮辰と連携しながら進めていく。
平成27年度は、論文2(未発刊も含む)、注釈1、口頭発表1の成果があった。研究は若干の遅れはあるものの、着実に進んでいると判断する。

今後の研究の推進方策

平成28年度も平成27年度に引き続き、①『訳解笑林広記』Web公開用データの作成、②『訳解笑林広記』の異体字の調査、③『訳解笑林広記』の注釈・分析、④日本、中国、韓国笑話の比較分析を行う。加えて⑤『訳準笑話』『即当笑合』の諸本調査及び書誌情報の整理を行う。
翻刻・注釈の作業は、時間がかかるため、適切な結果が出せるよう、今後も進めていく。また、翻刻した資料を基にして傍訓についても整理を行う。
日本笑話、中国笑話、韓国笑話の関連についての研究は、大韓民国在住の琴榮辰と連携しながら今後も進めていく。
平成28年度は、本研究課題の最終年度に当たる。研究成果の発表の場として8月23日にシンポジウム(「東アジアの古典文学における笑話」 会場 清泉女子大学)を開催する方向で準備を進めている。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度に予定してた『訳解笑林広記』の電子データ化作業が、本文の左右に付される傍訓の扱いについて解決しなければならない問題が発生したため行えなかった。

次年度使用額の使用計画

平成28年度は、『訳解笑林広記』の電子データ化作業に、未執行の資金を使用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち謝辞記載あり 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 『訳解笑林広記』全注釈(一)2016

    • 著者名/発表者名
      川上陽介
    • 雑誌名

      『富山県立大学紀要』

      巻: 第26巻 ページ: 32-55

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] A Comparative Study on the Symbolism of the Combination of Animals One Another in East Asian Comedic Stories and Proverbs2016

    • 著者名/発表者名
      琴榮辰
    • 雑誌名

      『比較文化研究』

      巻: 42 ページ: 205-240

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 『西鶴諸国はなし』巻四の七「鯉のちらし紋」試論 付 異体字と国字2015

    • 著者名/発表者名
      島田大助
    • 学会等名
      東海近世文学会
    • 発表場所
      熱田神宮文化殿
    • 年月日
      2015-06-13
  • [図書] 日本近代語研究第6集2016

    • 著者名/発表者名
      荒尾禎秀
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      ひつじ書房
  • [備考] 『笑林広記』研究情報公開サイト

    • URL

      http://document.sozo.ac.jp/cjdb/

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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