本研究は、三箇年にわたり各文庫に所蔵される中世宗教・文芸テキストの写本の発掘を通して、古代・中世日本における梵字悉曇を中心とする文字観の総合的研究の最終年度にあたるものである。本年度も引き続き、国文学研究資料館所蔵の関連マイクロ資料の調査・収集、金沢文庫所蔵テキストの調査・収集、高野山大学図書館所蔵テキストの調査・収集等を基軸に実施した。いずれも神道テキスト・密教テキストを重点的に収集した。また、文芸テキストについても如上の文庫を中心に探索し、適宜収集を行った。研究成果は口頭発表、学会誌上への寄稿、単著『中世日本の神話・文字・身体』(森話社、2014.5)の刊行という形で公表ずみである。
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